なにがあっても挫けない。

 そんな人間に私はなりたい。

 だが、実際の私は、とても気が弱く、直ぐに挫けてしまう。

 強い人が羨ましい。

 どうしたら強くなれるのだろう。

 ある人に、嫌なことから逃げるなと言われたことがある。

 そんなのは無理だ。

 嫌なことに真正面から立ち向かっていくなんて、考えただけでもぞっとする。

 嫌なことから逃げながら、強くなる方法はないか。

 いろいろな本を読み、多くのセミナーにも行った。

 しかし、これというものはなかった。

 人生、楽しいことばかりじゃない。

 それはわかっている。

 でも、私には楽しかったことなんてない。

 それもこれも、この気弱な性格のせいだ。

 まったく、この性格が恨めしい。

 こうなったら科学者にでもなって、なにがあっても挫けないマシーンを開発してやろうか。

 よし、決めた。

 もう直ぐ五十路を迎えようとしているが、私は猛勉強するぞ。