生暖かい風が、頬を撫でていった。

 春が近づいている。

 今年も、去年同様先が見えないが、それを心配したって始まらない。

 人生、いい時もあれば悪い時もある。

 自分の力だけでは、どうしようもない時だってある。

 それでも、生きていかなくてはいけない。

 俺は思うんだが、悪い時ほどどうするかが人生を決めることになるのではないか。

 俺は、流されて生きるのはごめんだ。

 人にも環境にも、そして世の中の状況にも流されたくはない。

 諦めなければ、きっと道は開ける。

 絶望しなければ、道を拓いていくことが出来る。

 俺の人生は俺のものだ。

 それを、なにかのせいにして暗いものにしてなるものか。

 どう生きても一生は一生だ。

 来世なんて考えない。

 今を一生懸命生きずして、来世なんて望むべくもない。

 なにかに縋るから、誰かをあてにするから、絶望が生まれる。

 政府も会社も、ある程度はやってくれるが、いざとなれば冷たいものだ。

 最終的に頼るのは、己の力。

 その考えこそが、どんな状況でも道を切り拓く糧になる。