【日刊 ノボちゃん】 -5456ページ目

汐の留まる町


(写真)海側から望んだ汐留


夜、汐留シティセンターから外に出てみたら懐かしいにおいがした。潮の香りだ。ビル街のドまん中で?と思ったが、実はここは海のすぐそばだった。行政が区分した町名に「汐留」はないが、ここはまさしく汐が留まる町なのだ。


電通本社の向こう側の浜離宮庭園の向こう側は隅田川の河口で、海の入り口。そう言えば電通の中にある四季劇場も「海」だ。すぐ近くに築地市場もあるが、そこに魚市場がある意味を考えてみたこともなかった。浜離宮がなぜ「浜」を冠しているかも考えてみたことがなかった。みんなみんな、海のそばだからなんだね。


そう考えると山手線の新橋とは相当海岸に近い駅だ。ビルの谷間、ビルの下の地下街ばかり歩いていると気づかないことだ。私の勤務先が新橋だった期間はやや長いのだが、山手線の内側と外側では世界が随分違うとは常々考えていた。内側は飲み屋と雑居ビルが多くて古くからの住民がいなくもない庶民の町。外側は新しい高層ビルとホテルやマンションが建ち並ぶ近未来でエグゼクティブの町。


でも実はそのあたりに海があることを私は知ってはいたはずだ。新橋のオフィス10階の自分の席が窓に面していたので、今でいうところ汐留(シオサイト)のビルがどんどん建っていく様を眺めていた。「今、何階くらいまで伸びたかなあ」「きょうは5階までガラスが入ったなあ」などと、昭和30年代の東京タワー建設さながらに毎日観察していたのだ。特に一番手前にある日テレタワーは窓に大きな張り紙をしてあったので、あれが日テレのビルかとよく分かった。羽田に着く飛行機が海上を下降してくるのも見ていたはずだ。


そして、計画中のビルがすべて完成して海は見えなくなった。自分も海が見える職場は去った。ビル街という今とだけ向き合って、海の存在をすっかり忘れてしまっていたわけだ。それでも海のにおいは残っていてくれることがありがたい。


今年もビールの季節がやってくる。カレッタ汐留のテラスでジョッキを傾ければ、シーサイドビアガーデンの一丁あがりだ。今年は絶対に1回は行ってみよう。



■日刊ちょいスポ(No.795)

「混合杉山組8強入り」

開催中のテニスウィンブルドン選手権で、杉山愛とアンドレ・サ(ブラジル)組は、スタブス(オーストラリア)・リンドステット(スウェーデン)組を逆転で下し、ベスト8入りを決めた。毎日英語による組み合わせ表や選手の世界ランキングを確認しているが、あの数の中から8ペアに残るというのがどれだけ大変なことかは私にも実感できる。せめてもう1試合は勝ち進んでほしい。


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ただいま【第1825号】











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