バックパッカーの聖地
先週の『ANOTHER SKY』(日本テレビ系列)は、
タイが舞台でカオサンロードが登場するというので録画までして観た。
なぜそうまでしたかというと、今から36年前、私もバックパッカーの聖地といわれるこの場所にいたからだ。
根城としていた宿は「59 GUEST HOUSE」といい、世界中のバックパッカーで溢れかえっていた。
ここに住みついてしまったかのような日本人もいて、
彼はこの宿名となっている数字をもじって「極道ハウス」と呼んでいた。
悪い奴の巣窟なのかと思ったが、そうではなく安心した。
しかし、挙動不審な怪しい奴も少なからずいて、
ある朝、見るからに不健康そうな痩せ方をした男に因縁をつけられ一触即発の状態となった。
そのとき間に入ってとりなしてくれたのが、
上記写真に私と一緒に写っているピエールという名のフランス人だった。
「ラリってる奴なんか相手にしてはダメだ」という彼の忠告がなかったら、
殴り合いの喧嘩に発展していたかもしれない。
それほど感情が高ぶっていた。
でも、これは普段は冷静な自分には珍しいことだ。
本来私は穏やかな性格で揉め事は嫌いである。
ただこのときばかりは、日本人が舐められてたまるか、
そんな気持ちが作用して闘争心に火がついたのだと思う。