日露戦役記念碑に曽祖父の名前を見つける | もっとよくなる

日露戦役記念碑に曽祖父の名前を見つける

 

 

 

古くからわが故郷の産土神として崇敬を集める村国真墨田神社には、日露戦役記念碑があります。

 

日露戦争に鵜沼から出征した氏子を讃えて建立されました。

 

碑文の字は,乃木希典の揮毫によるものです。

 

先日、もっと詳しく知りたくなったので神社に赴き碑背文を読んでみました。

 

すると、驚くことに、そこには父方の曽祖父の名前が刻まれていたのです。

 

えっ、曽祖父は日露戦争に従軍してたの? 

 

思わず心の中で「聞いてねえよ〜」と叫んでしまいました。

 

碑背文には、明治三十七八年戰役從軍者氏名が勲等とともに刻まれており、

後追いで調べると鵜沼からは119名の村人が出征し、20名が戦病死したそうです。

 

私の祖父は、曽祖父の従軍前に生まれていますが、

私の処女作『約束のつばさ』に出てくるゼロ戦のパイロットのモデルとなった大叔父(祖父の弟)は

従軍後の出生ゆえ、もし曽祖父が戦死していたらこの世に存在せず、私が本を書くこともなかったでしょう。

 

そう考えると、命のバトンを上手につないでもらえたことに感謝の念が湧いてきます。

 

同時に自分もあとの世代に引き継ぐ役割を担ってきたことに気づかされます。

 

こんなおもいを抱くのは、人生の来し方行く末を意識する年齢にさしかかった証拠でもありますね。

 

ちなみに、日露戦役記念碑は、私が小学生のとき通学班の朝の集合場所でした。

 

下段の写真は、この碑の前で同じ町内の通学班の仲間と一緒に撮ったものです。

 

戦争のない時代に生まれ育った子どもたちが、碑に名前の刻まれた、

戦争に翻弄され続けた曽祖父の世代に見守られながら登校していたことを思うと、感慨深いものがあります。