その頃の話。
ゴミ収集場所で立ち話をしていたお向かいのおばちゃんとご近所さんに向かって、姑が「ゴミ残っとってん。これも捨ててんか!誰かの袋に入れといて!」とやたらと上目線でゴミ箱を差し出したらしい。
若いご近所さんが「いいですよ。やりますよ」と快く引き受けたのはいいのだが
中身は使用済みトイレットペーパー

それも耐え難い臭い

空にして姑に返してくれたのだが、姑が居なくなってから「お尻拭いた、ウンチの付いたトイレットペーパーも入っとったでぇ。あの人、頭オカシなっとんなぁ〜」「お嫁さん、知らんのんちゃう?」「教えてあげなあかんのんちゃう?」という話をしたとお向かいのおばちゃんが教えてくれた。
える子が知らない筈はない。
頭はオカシくなってきてるけど、ボケる前からそんな人。
その使用済みトイレットペーパーを初めて見たときに「ここの家は排水管が細くて詰まるから流されへんの?」「過去に詰まったことがあるの?」と夫に聞いたことがある。
夫に「そんな事あれへん」と否定された。
える子「じゃ、お義母さんは、どこのトイレでもそうしてはんの?トイレットペーパーが水に溶けるって、知りはらへんの?」
夫「俺に聞かれても知らんがな」と。
義姉達も「何故そうしてるのか分からへんし、言っても言うこと聞いてくれへんやん」と言った。
義姉達がそう言うし、そのトイレは姑専用で汚物処理も自分でしてるんだからと、私も口出しを避けた。
一応、レジ袋を付けてゴミ箱が汚れるのを防いだけど、レジ袋ごと捨てることもなかった。
だって、そんな人やもん

姑が自分でできる間は良かった。
今年に入ってから、姑の希望でゴミ袋に出す日と曜日を書いた紙を貼った。
そのうち、紙を声に出して読んでるにも関わらず、昼も夜も、分別もお構いなしで出すようになってしまった。
姑が出したゴミ袋を回収して[える子が出します]と書いた紙を貼って、ゴミ出しを卒業してもらった。
当然のごとく汚物のゴミ箱も処理できなくなり、放ったらかしで遠くからでも悪臭を感じるようになった。
なんてったって姑はドアを解放したまま用を足して、ドアの外のゴミ箱にトイレットペーパーを捨てるわけだから、臭いの拡散が派手なわけよ。
失禁が増え、尿を吸ったオムツも独特の異臭を放つようになり、毎日処理しても充満してるような錯覚までおきてきた。
夫の「なんとかせぇ!」という言葉にスイッチが入り、まず姑に理由を聞いた。
姑「さあ」
さあ?
さあ?
さ?あ?
ボケて理由が分からない?
呆れたので、トイレに
[使ったトイレットペーパーは、トイレに必ず流してくださいね]
ダメ元で大きく書いて貼ってみた。
暫くの間、
毎回トイレから
「使ったトイレットペーパーは、トイレに必ず流してくださいねって、える子さんが、書いとぉーなー」と独り言が聞こえてきた。
でも、これが功を奏した
パチパチ
パチパチできるや〜ん

トイレットペーパーを流せない国があるのは聞いたことがあるけど、日本に。そう!それもうちに。いたんだよ〜
痴呆のお陰で自分(我)というものが薄らいで、扱い易くなるなんて、怪我の功名のようなお得感

ヒャッ、ホー
