猫の後ろ姿 2280 不染鉄回顧展 美術館のなすべき仕事 | 「猫の後ろ姿」

猫の後ろ姿 2280 不染鉄回顧展 美術館のなすべき仕事

不染鉄 秋色山村 昭和初期 奈良県美

 

不染鉄 廃船 1969 京近美

 

 中村君、奈良県美での「不染鉄」の展覧会のこと、お知らせいただきありがたく存じます。
 この人の絵、「秋色山村」しか、僕は見たことがありません。この展覧会ではじめて、不染鉄という画家の全体像があきらかになるはずです。
 一人の画家の生涯を丁寧に跡付け、作品の表現している意味を十全にあきらかにする。故郷である奈良の美術館であるからこそ、出来る、そしてしなければならない美術館の 仕事がここにあります。

 新聞記事に引用された不染鉄の言葉がとてもいいなあと思います。
  
「淋しい。心細い。なきそうになる。静な。心の画をかこう

 と思ふ。野心作だの大努力作よりも、小さい真実をかこう。

 これから私の画がはじまる。」

 「小さい真実」を求めて、たゆみなく、ゆるやかに努めていきましょう。