猫の後ろ姿 2271 榎並和春「泉にて」 生きた水 | 「猫の後ろ姿」

猫の後ろ姿 2271 榎並和春「泉にて」 生きた水

 

 榎並和春さんの個展会場の一番奥にあるのが、国展出品作「泉にて」。
 岩の割れ目から清冽な水が湧き出している。

 思いは、<水>という特別な存在へとうながされる。

 キリスト教の聖書の一つ、『ヨハネ書』第7章37節にこう記されている。

   
イエスは立ち上がって言われた。

 「渇いている人はだれでも、

        わたしのところに来て飲みなさい。
  わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、

  その人の内から生きた水が川となって流れ出る

                 ようになる。

 また『箴言』4章23節にはこうある。
    
力の限り、あなたの心を見守れ。
   いのちの泉はここから湧く。


 人の心の内を見つめれば、「生きた水」がこんこんと涌き、流れ出している。

 それは、特定の宗教という枠を超えて、人にとって、根源的なイメージを示している。