猫の後ろ姿 2249 平山周吉 『戦争画リターンズ』 | 「猫の後ろ姿」

猫の後ろ姿 2249 平山周吉 『戦争画リターンズ』

 藤田嗣治の描いた戦争画を中心テーマとしたこの本、論じられる事柄の年月日・関係人物など細かい点に注意しながら、丁寧にゆっくり読んでいる。58頁迄進んできて、僕の名前が出て来たので驚いた。

 <飯野正仁編『戦時下日本美術年表1930-1945』(藝華書院)という大著が、今年(二〇一三)の九月に刊行された。昭和五年から二十年までの十六年間の美術界の動向を詳細に調べ上げて、年表化した大労作である。戦争画の研究では、笹木繁男と飯野正仁が、長年にわたつて徹底した書誌的調査を続けており、二人の執念には頭が下がる。私はこの二人の調査を存分に利用させてもらった上で、敬意をはらつて、お二人がいまだ発見、言及していない事実を、毎回必ず盛り込むべく努めているのだが、なかなかハードルは高い。>
 
 いい歳になっても、ほめてもらうのは本当にうれしい。小学校の頃に作文を担任の山口武夫先生に褒めてもらった時のことを思い出した。こんなことしかできないので、これからも命ある限り、戦時下日本の美術のことを探求していきたいと思います。