自殺よりはSEX。
- 書店に平積みになっているこの題名を見たとき、
思わず声を出して笑ってしまった。
数年前のことになる。
別に死にたいと思っていたわけじゃない。
でも、もういつ死んでも悔いは無い
・・・ぐらいは思ってた。
それくらい頑張ってた。
婚約を破談にした。
付き合った期間はそう長くはなかったけれど、
将来のことを話し合い、
それはとんとん拍子に進み、
両親ともに顔合わせをし、
お互いに、意志も固まったという時期。
彼の渾身を込めた改めてのプロポーズ。
土下座して泣いて謝られようと、
力で押さえつけられようと、
両親に説得されようと、
彼の親になじられようと、
あたしの気持ちは揺るがない。
「子供が出来たら結婚しよう」
・・・って、なんじゃそりゃ!!
あまりにもくらだなくて、
自分自身に、彼に、彼の親に、自分の親に、
あまりにも落胆しすぎて、
すべてを放棄したくなって、
放心状態でいるときに、
街を徘徊していて出会った。
そして久しぶりに笑った。
- 著者: 村上 龍
- タイトル: 自殺よりはSEX―村上龍の恋愛・女性論
村上龍が書いてきたエッセイの中で、
恋愛とSEXにまつわるものをまとめたもの。
題名と装丁に惚れちゃいましたわ。
時どき、仕事が辛い時
「自殺よりはSEX」
とつぶやいてみるあたしも悪くない。
風俗嬢の職業病(価値観編)。
ショッピング。
今年はいつもにも増して
サンダルやミュールが並んでる。
あれも欲しいこれも欲しい。
で、全部買うと○本分。
最近、アメ市場に引きずられ、
中国の反日不安も重なって、
日経平均が大暴落。
この数日で
あたしの減らした資産○本分。
こないだ行った沖縄の
カード明細が届く。
航空券にホテル代、
ダイビング費用に、
お土産代。
すべてまとめて○本分。
なんでもかんでも
ちんちんの本数で、
見積もってしまう
あたしの価値観。
これもきっと職業病。
あたしの器は大きいの。
カネで買われた2時間は、
なんだって提供するのですあたしは。
体中の穴という穴、すべてを。
前の穴だって後ろの穴だって、
眼球舐められたって
「いやん。くすぐったい」って
笑ってられます。
耳の穴だって鼻の穴だって、
入れたいというのなら
どうぞご自由に。入ればね。
体だけでなくて、
あたしは心も
提供できます。
2時間に限っては。
汚い顔も
臭い息も
洗ってこないちんちんも
変な理屈も
武勇伝も
悲しい性癖も
暴力的なセックスも。
↑
傷さえ付けられなければ。
カネで買われた2時間は、
あたしは客を
愛することに精を出す。
あたしの器は大きいの。
誰も知らないけれど。
東京ドームより大きいの。
ちんちんで殴られても
おしっこかけられても
精液顔に出されても
しつこくわき腹くすぐられても
何があっても
微笑みは絶やしません。
「嫌よ、止めてよ」
なんて言葉は
オシゴト中のあたしの
本棚には並んでいません。
だってだって、プロだから。←くどい?
風俗嬢の職業病(股関節編)。
股関節が痛いのです。
かれこれ3年も。
季節や天気によってはかなり深刻。
騎乗位で前後に腰を振り振りしちゃって、ぎゃ~!
正常位で両足を開かれ押さえつけられて、ぎゃ~!
時には湯船を乗り越えるだけで、ぎゃ~!
「股関節痛いから、大開脚は勘弁して」
って言いたいのよ。
でも言わないよ、あたしは。
・・・だってだって、プロだから。
でもやっぱりオシゴトに差し支えるので、病院へ。
しかし、整形外科でレントゲンを獲っても異常なし。
仕方ないから、
あんまり信用してない東洋医学に賭けることに。
腕がいいと評判のカイロプラクティック。
全然期待してなかったのに、
1時間の施術で、しっかり2週間は痛みが取れる。
初めてカイロプラクティックに行った日の会話。
「仕事中はどんな姿勢が多いですか?」
「え、あ・・・ま、立ったり座ったり」
「大また開かれ押さえつけられたり、
でんぐり返されたり・・・」
てなことは、口が裂けても言えませんのでね。
風俗嬢の職業病(皺編)。
どんなときでも
あたしは女優であることを
忘れません。
生理前の腫れて痛む子宮口を
固いちんちんでぐりぐりされても、
あたしの顔には
痛みの表情なんて浮かびません。
Gのポイントを2本の指で
早く激しく血が出るまで刺激されても、
嫌悪の表情なんて一切見せません。
粘っこい唾液を
かなり上から口めがけて落とされても、
美味しそうに飲み下しては
微笑み返せます。
ところがこの頃、どうでしょう。
とってもいい愛撫を受けて
ほんのちょっと我を忘れて
よがってしまった後、
ベッドサイドの壁一面の鏡に映る
あたしの眉間には、
深く刻まれた
2本の皺が。
2本の皺には
よれたファンデーションが溜まり、
ハンカチで押さえたくらいじゃ、
消えません。
あたしは手の甲を額にあてて、
「やだぁ、いっちゃったわぁ」と
クスクス笑って、
汗をぬぐいつつ
恥らっているという演技をしながら、
2本の皺をぐりぐり擦る。
そろそろヒアルロン酸注入が
必要かな・・・と思う、
今日この頃のあたし。