都心の移動には、

電車ではなく好んでバスを利用する。

 

時間はかかるけど、

窓の外の街の景色を眺めるのは楽しいからだ。

 

バスではたいてい一番後ろの端の席を目指す。

 

そこに座れれば、後は観光気分🎵

 

 

 

時間帯によっては、

一番後ろの端っこにすんなり座れる。

 

座れた。

 

陽気のせいか、

途中のバス停からたくさんの人が乗ってきた。

 

海外からの観光客も

最近はたくさんの人がバスを利用するようになった。

 

席はどこも埋まって、

何人かの立ってる人が見えた。

 

 

 

突然、男性の怒鳴り声が聞こえた。

 

『病人が立っているのに、お前は座ってゲームをしているのか!』

 

後ろからは状況が見えなかった。

 

若者が怒鳴られてるのかと思った。

 

 

 

すると、ですよ。

 

気品のある老女がすくっと立ち上がり、

その怒鳴り声の方へ向かった。

 

一人の少年を連れてきて、

自分が座っていた席へ座らせた。

 

『ああ、この子が怒鳴られていたんだな』と

このとき初めて気づいた。

 

老女は、座らせた子供に満面の笑みで

『お年寄りには席を譲りましょうね』と言った。

 

子供は、うつむいて黙っていた。

 

 

 

立ったままの老女を見かねたのは

老女の目の前に座っていた外国の青年だった。

 

英語で老女に話しかけ、席を譲ろうとした。

 

それに対して、老女は流暢な英語で丁寧に断っていた。

 

『ああ、やっぱりタダものじゃないんだな』と思った。

 

 

 

とても気品のあるその女性の解決策を眺めていて

心から感心した。

 

怒鳴りちらしていた老人は、

その老女に『ありがとう』とお礼を言って

バスを降りて行った。