今月3日、創業家と会社側の対立が続く大戸屋ホールディングスは、確執の原因を「双方の対応に問題があり、十分な意思疎通を欠いた」などと総括した第三者委員会の調査報告書を公表しました。
記者会見を行った窪田健一社長は、「無用な対立はすべきではない」と述べ、和解に意欲を示しているものの、第三者委員会は創業家側に直接ヒヤリングを行うことが出来ておらず、解決への糸口はなかなか見つからないようですね。
事の発端としては、昨年7月に創業者の三森久実氏が急逝し、息子の智仁氏の人事や、久実氏に対する功労金支払いが決着していない事などから、徐々に確執が生まれ、現在のような状態に至る事となりました。
今回の第三者委員会の結論としては、創業家側には「コンプライアンスやガバナンスに対する基本的な理解不足があった」、会社側には「創業者への配慮が足らず、事前説明も行っていなかった」という内容で『双方に問題あり』という事でした。
今回の場合、「父VS娘」の対立構図であった大塚家具とは違い、「創業家一族VS経営陣」といった構図となっています。
創業者の久実氏は、亡くなる1か月前に、息子である智仁氏を常務取締役に任命しました。
しかし、この智仁氏は、2013年に大戸屋に入社したばかりの26歳。
いずれは後継者に、という想いはよく理解できるのですが、経験の無さに疑問を感じた窪田社長は、久実氏が亡くなった後、大掛かりな人事を行い、その1つとして智仁氏の降格も含まれていたんですね。
また、久実氏が生前に力を入れていた、中国の直営店事業などの新規事業も、数々撤退させました。
それら一連の行動に対し、久実氏の妻である三枝子氏は、久実氏の遺骨を持って社長室に入り、「あなたは会社に残らせない」と迫った「お骨事件」と呼ばれる騒動にまで発展したようです。
やはり同族経営というのは、様々な確執が生まれやすいものなんですね。
息子を重要ポストに置きたいという親心も理解できますが、他の社員からしたら納得できるものではないでしょうね。
今回の場合、急逝という形で亡くなられたため、このような大きな混乱が生じてしまったようですが、やはり絶対的権力がいる中で、どれだけ同じベクトルで経営が行われるのかというのは、とても重要な課題なのかもしれませんね。
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