今月3日、神田明神で行われた「こち亀絵巻」の奉納の場で、原作者の秋本治氏が、200巻続いた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の連載の終了を発表しました。
「こち亀」といえば、亀有公園前派出所に勤務する警察官・両津勘吉を主人公とし、その同僚や周面の人物が繰り広げるギャグマンガとして、誰もが知ってる国民的なマンガですよね。
また、40年における週刊連載で一度も休載することなく、「少年誌の最長連載記録」のギネス世界記録を持っている事でも有名で、累計発行部数は、1億5000万部を超えているそうです。
アニメ化はもちろん、香取慎吾さん主演で実写化もされ、その知名度は凄まじいものでしたよね。(日曜日の夜にアニメをやっていたのが懐かしいですね!)
私は、漫画を買い揃えたりすることはありませんでしたが、ハマっていた時代はもちろんあるわけで、終わるとなると少し寂しいものがあります。
とはいえ、40年書き続けるというのは、とんでもないことですよね。
200巻の連載という事は、単純計算しても1年に5巻というペースで出版していたという事になります。
マンガを読むことがあまり無いので、何とも言えないのですが、なかなかのハイペースのように思えます。
「こち亀」の場合は、1話完結のストーリーがほとんどなので、時代に合わせたストーリーが作れるといった利点があるわけですが、それでも『200』という数字は、なかなか書き続けられるものではないでしょう。
それにしても、「こち亀」に表れているように、ここ最近、「連載の辞め時」というのが、非常に難しくなってきているように思います。
今回の会見で、秋本氏は「体力の限界」などではなく「200巻というおめでたい巻で区切らないと、これ以上は中途半端になってしまう」という理由での連載終了だと述べていました。
少し寂しい気もしますが、こういう節目で区切りをつけることは、英断だと思いますね。
「傑作」と持ち上げられて、連載を続けていくうちに徐々に飽きられてきて、最終的に「駄作」のような扱いを受けるというケースを、これまでも多く見てきました。
マンガに限った話でなく、映画でも「2くらいまでは面白かったのに、3以降は面白くなかった」みたいな話はよく聞きますよね。
人気絶頂のうちに終わればかっこいいのでしょうが、この決断もまた難しいでしょうし、自分の意志だけで終われるような世界でもないのでしょう。
そういう事を考えれば、今回の決断は見事だったのではないでしょうか。
ここ最近、マンガといえば、コミック本よりもスマートフォンで見るというのが、主流になりつつありますよね。
同じ現象が数年前に起こっており、音楽をダウンロードする時代になってから、『CDが売れない時代』というのが続いています。
マンガにも同じことが言え、マンガのみならず、紙媒体の業界には「出版不況」という問題が深刻化していますよね。
時代の流れるスピードはとてつもなく早く、今あるものも、数年後には「懐かしいもの」に変わっていきます。
もの寂しい現実ではありますが、変化の激しい現代に生きる以上、「終わる」という事に慣れていく必要があるのかもしれませんね。
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