昨日引用した「Bird In The Cage」という曲のリリックには,次の一節があった。
戻って来ても暗黒な社会は
番号札がつかないってだけの監獄だ。
誰もが何かと戦っている,
誰もがしがらみにあらがっている。
番号札がつかないってだけの監獄だ。
誰もが何かと戦っている,
誰もがしがらみにあらがっている。
社会の中核から逸脱した所にいるからこそ見える真実がある。そう感じさせるリリックである。まさしく今の世の中は「番号札がつかないってだけの監獄」だ。
調べてみると,この曲は2010年に出たアルバム『The N.E.X.T.』に収録されている。つまり,まだマイナンバー制度ができる前だ。今や,番号札さえも首からぶら下げる社会になろうとしている。個人を管理するため,国家が一方的に個人に番号を割り振った。それがマイナンバー制度。「暗黒な社会」は,さらにどす黒さを増している。
私の所にも,昨年報酬を頂いた会社・団体(出版社や編プロなど)からマイナンバー提供依頼の通知が何件か来ている。去年からずっと無視してきたのだが,何度も繰り返し送ってくるところもある。昨日も「2週間以内に提出してほしい」との催促が来た。さて,どうするか。
プライバシーや自由権の侵害のおそれが拭えず,憲法違反の疑い色濃いマイナンバーを提供するわけにはいかない。法律上も,源泉徴収される側にマイナンバー(特定個人識別番号)提出の義務はない。法律で義務づけようとすれば憲法違反になることは明らかだからである。国税庁によれば,マイナンバーの提出がなくても税務署での手続きには支障はないとのこと。行政側はマイナンバー提供が任意であることをはっきり言わないが,それは,そんなことが周知されたらすぐさまマイナンバー制度が破綻してしまうからであろう。
そこで,早速お断りの書面を作って,各所に送ることにした。
皆様も,マイナンバー提供はあくまで任意であることを踏まえて,提供するかどうかはご自身で判断されてください。ただし,提出しない場合は,その旨を連絡しておいた方がいいかもしれません。
「全体」を知ろう。「構造」を変えよう。「理想」を追い掛けよう。――マイナンバー拒否をそのための一歩としたい...
どんな労働にも,どんな状況にも,
表情一つ変えず耐える上昇思考。
全体の様子を知ろう,そして苦労しろ。
構造を変える方法は必ずある。
黒でも白でもない黄色の本物,
理想を追い掛ける非合法な同胞,
瞳孔が開いた東京の同士よ,HOMIEよ,
調子どう?応答しろ?
(ゾーン・ザ・ダークネス「一番線ホーム」より。『ヒップホップの詩人たち』p.140)
表情一つ変えず耐える上昇思考。
全体の様子を知ろう,そして苦労しろ。
構造を変える方法は必ずある。
黒でも白でもない黄色の本物,
理想を追い掛ける非合法な同胞,
瞳孔が開いた東京の同士よ,HOMIEよ,
調子どう?応答しろ?
(ゾーン・ザ・ダークネス「一番線ホーム」より。『ヒップホップの詩人たち』p.140)
ヒップホップの詩人たち/新潮社

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The N.E.X.T./F.I.V.E RECORDS

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