沖縄をカネで買い戻した日本とは・・・ | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…


「沖縄密約」をめぐる情報公開訴訟の控訴審判決は,原告の逆転敗訴。密約の存在は認めながらも,文書は「廃棄された可能性が高い」とした。存在しないものは開示できないという理屈で,国を救済した形の判決。司法権の独立とか三権分立とかは名ばかりで,これが日本の司法の現実である。

 本当に密約文書が廃棄されたのだとしたら,何たることか!永久保存すべき重要文書を捨ててしまうとは・・・言葉もない。官僚による歴史の冒涜,組織的犯罪行為だ。司法も司法だが,官僚も官僚である。政府は直ちに,廃棄の事実関係を調査し,責任者を追及すべきだろう。だが,官僚依存の土建国家に立ち返った野田政権には,その気はさらさらないようだ。藤村官房長官は「従来の政府の主張が認められた」と安穏としたアホな発言をしている。政治家も官僚も,もう救いようがないところまで来てしまったようだ。

 いずれにしても,密約があったことは明らかとなった。すなわち,日本は莫大なカネを積んで,アメリカから沖縄を取り戻した,ということ。沖縄の存在や歴史はカネで売買できるほどに,軽いものだったのか。少なくとも,当時のアメリカと日本の政策決定に関わった人たちにとってはそうだったようだ。そして,歴史的文書を廃棄したとされる奴らにとっても,そうだった。紙切れのようにいつでも捨ててしまえる存在。その歴史をいつでも自由に偽造し塗り替えてしまえる都合のいい存在。

 密約は,沖縄への許し難い裏切り行為だ。密約の存在がはっきりした今,長らくその存在を否定してきた政府は,沖縄と日本の国民に対してその「裏切り行為」を謝罪すべきだ。アメリカと日本の政治に翻弄されながら,沖縄がどれだけの犠牲を払ってきたか,そして今なお払い続けているかを,政府も官僚も重く受け止めるべきだ。

 歴史を冒涜する者は,いずれ歴史から痛烈なしっぺ返しを受ける。沖縄の歴史を軽視し,沖縄の大地と大空と珊瑚礁の海をアメリカに都合のいいように使わせ続けている日本は,いずれ大きな代償を払うことになるだろう。代償というよりは終焉。すなわち国家の破滅という終焉。すでにその瓦解は,内からも外からも始まっている。内は放射能との戦いに,政治の不毛と経済不況。外はアメリカからの同盟圧力強化と,中国・韓国との領土闘争。まさに「内憂外患」。歴史を歪めた日本はこうして崩壊する!