
671年に水時計が初めて作られたのを記念して制定されたそうです。
「それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おほよそはかなきものはこの世の始中終、まぼ ろしのごとくなる一期なり。さればいまだ万歳の人身を受けたりということをきかず、一生過ぎやすし。いまにいたりてたれか百年の形体をたもつべきや。われ や先、人や先、今日ともしらず。明日ともしらず。おくれさきだつ人はもとのしづくすゑの露よりもしげしといえり。されば朝には紅顔ありて、夕には白骨とな れる身なり。すでに無常の風きたりぬれば、すなはちふたつのまなこたちまちに閉ぢ、ひとつの息ながくたえぬれば、紅顔むなしく変じて桃李のよそほひを失ひ ぬるときは、六親眷属あつまりてなげきかなしめども、さらにそ甲斐あるべからず。さてしもあるべきことならねばとて、野外におくりて夜半の煙となしはてぬ れば、ただ白骨のみぞのこれり。あはれといふもんなかなかおろかなり。されば人間のはかなきことは老少不定のさかひなれば、たれの人もはやく後生の一大事 を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまゐらせて、念仏申すべきものなり。あなかしこ。あなかしこ。」