「変わる葬式環境」 | motoの徒然なるままに…Ⅱ

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日々是好日日記
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企業が冠婚葬祭にかかわらなくなった
なぜ、葬式をしなくなったのだろうか。


さまざまな理由が考えられるが、「死者の高齢化」ということがそこに関係していることは間違いない。80歳代、90歳代で亡くなれば、故人の同世代の知り合いは、すでに鬼籍に入ったか、もしくは高齢で、葬式に参列することができない。実際、私も経験しているが、祖母や叔父たちの葬式がそうだった。家族以外に参列者がいなかったのだ。それでは、一般葬をやる意味がない。


もう一つ大きいのは、企業が葬式にかかわらなくなった点である。戦後の企業は、葬式に深くかかわっていた。村には、「葬式組」というものがあり、それが葬式全体を取りしきっていた。戦後の企業に就職したのは、多くが村の出身者だった。企業は、葬式組に代わる役割を果たすようになった。受付や式場への案内は同僚がやり、式にも多くの社員が参列した。


しかも、自分の会社の人間の葬式だけではなく、取引先の会社の人間の葬式にも参列した。もちろん、取引先の人間の親のことなど知るはずもない。それでも香典を持って出かけていったのである。


近年では、企業が、葬式だけではなく、社員の冠婚葬祭全般にかかわらなくなった。そこには、会社と社員との関係の変化が示されている。正社員ばかりではなく、非正規の社員が増えたことも影響している。企業がかかわらなくなったことによって、葬式の参列者の数は激減した。