
がんと闘いながら、先月、完成させた新作映画。
映画館を訪れた現代の若者3人がタイムスリップし、明治以降、日本が経験した戦争を追体験する物語です。
理不尽な戦争に巻き込まれて死んでいく人たちを、救おうとあがく主人公たち。しかし奮闘むなしく、広島に原爆が投下。多くの命が失われます。
大林さんは、この映画を世に送り出すことが、自分にとっての責務だったといいます。
大林宣彦監督
「人の命には限りがあるとするならば、遺されたものは遺されたもので役割があるだろうとね。ジジイの繰り言みたいな映画でも、温故知新の役には立つかもしれんということでね。生きている限り、頑固ジジイとして、僕らの時代の、僕らの実感をフィルムに預けてみようかなと。邪魔だと思う人には、長生きしてごめんねと言うしかないけどね。死なないよ。」