保坂和志という作家のプレーンソングという本です。
この作家の名前は今まで知りませんでした。
年齢は私と同じみたいです。
その作家の1990年のデビュー作(遅い)がこれ。
不思議な本だと思います。
ストーリーらしいストーリーがない、ような気がする。
ラストにも別に何もない、ような気がする。
なんだこれ?
1990年のニューウェーブだったの?
私の印象としては、庄司薫の小説を薄味にしたような。
ものすごく、ものすごく!薄味にしたような・・・。
誰が読んでも害にはならないような・・・。
どうして知りもしない作家の本を読んだのかというと
帯が橋本治だったようです。
図書館の本に帯は付いていませんから
ネットで画像を探し、解読しました。
「クレーンソング」は素敵だな。
空に届きそうで。
橋本治
最近日常的でとりとめのないディテールが続いていて
最後に‘空’が設定されているのが日本の青春小説の
根本構造なんじゃないかと思っていて、これはそういう
意味で青春小説ですね。それからもう一つ、作りが映画的で
でも絶対に映画にしたらおもしろくなくて、映画に憧れてる
マンガ家の描いた青春物語に似てるもんは、やっぱり
小説のがおもしろいですね。それはこの小説読むと分かる。
それから、じゃア青春小説ってなんなのかなァと思って
考えたんだけど、「自分のことよく分かってくれる友達が
ほしいな」って思っていられる限りは‘空’って思って
いられるんだな、とか思う。結局‘空’はそう思ってても
いいんだな」ってことの象徴なんですね。それからもう一つ、
僕はこの小説の題名を「脳味噌の歌(ブレーンソング)」だと
思ってた。「うん、ユーモア小説ってそういうんだな」と思った
らブレーンじゃなかった。プルーンでもいいとと思うけど、
プレーンでしたね。クレーンでもいいけど。「クレーンソング」
は素敵だな。空に届きそうで。ま、そういう色々な感じ方を
させてくれるところが、’プレーンな歌’なんでしょうね。
スイセン文でした。橋本治

