フランツ・シューベルト 「交響曲第9番ハ長調ザ・グレイト D944」 | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

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週刊ダイヤモンドより http://diamond.jp/articles/-/23986

フランツ・シューベルト
「交響曲第9番ハ長調ザ・グレイト D944」
生前は一度も演奏されなかった
歴史上屈指の名交響曲


シューベルト、と言えば、一般的なイメージは、「歌曲の王」でしょう。

学校の音楽の時間に“野ばら”や“菩提樹”や“ます”を歌った記憶があるはずです。その美しい旋律には現代に通じるポップな感覚と同時に、ちょっと悪魔的な毒も含んでいます。とても200年も前の音楽とは思えません。しかもシューベルトは、31歳と10ヵ月という非常に短い生涯で600曲以上の歌曲を作曲しました。天才以外の何者でもありません。

あのベートーヴェンも「本当にシューベルトには神の火花が宿っている!」と述べています。

ですが、シューベルトの最高傑作は、交響曲第9番ハ長調ザ・グレイトだと断言します。

しかも、歴史上の全ての交響曲の中でもハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスらの傑作に勝るとも劣らない屈指の名曲です。


真理は単純で美しい
兎に角、美しく明朗な旋律が汲めども尽きぬ泉の清水のように次々に流れて来ます。無防備なほどの垂れ流し状態です。ここには、音楽がもたらす至福の時が存在します。しかも、決して押し付けがましい音楽ではありません。洪水の如く聴く者を圧倒してしまうということもありません。かと言って、物足りなさを残すということもありません。ちょうど良い加減で、無理がなく過不足ありません。作為的な感じが全くなく、太陽が東から昇って西に沈むが如く全てが自然です。

ザ・グレイトは(途中で転調もありますが、主として)ハ長調です。要するに、ピアノで言えば、白鍵盤だけで成立する音階で出来ている音楽です。基本中の基本で、単純明快です。アインシュタインが、「真理は単純で美しい」と言いましたが、このシューベルトの交響曲にも通じるものがあります。

そして、僕たちの周りの自然環境がそうであるように、ザ・グレイトも仔細に観察すれば、自然なあるがままの美しさの中に、恐るべき強靭な生命力が宿っていることが分かります。そして、突き詰めれば最後は生命の謎に行き着くように、創造力の謎に逢着するような深遠な何かすら感じさせます。

ですが、念のため申し述べておきます。クラシック音楽は苦手という人も、決して肩に力を入れる必要はありません。食わず嫌いはもったいない。自然体で聴けば良いです。敢えて言えば、200年前の久石譲だと思って聴くと良いでしょう(生前のシューベルトは今の久石さんほどの名声はありませんでしたが)。

ただし、演奏時間は第1楽章から4楽章まで1時間ほどです。1155小節に及びます。だから、忙しい人にとっては長く感じるかもしれません。仮に、途中までしか聴けなくても、途中から聴き始めても、此処には極上の音楽が流れています。ほんの一部だけでも素敵な時間になるはずです。


生前には一度も演奏されず
ザ・グレイトには多数の名演名盤がありますが、一押しは、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団盤(上記写真)です。

ワルターはクラシック音楽の歴史の中に屹立するカリスマ指揮者の一人で、1876年ベルリン生まれです。シューベルトは1797年ウィーン生まれですから、ドイツ語を母国語とする同郷で年齢差が79歳です。もちろん、シューベルトは31歳で夭折していますから、二人の人生は重なっていません。

が、シューベルトの交響曲が高い評価を得るのは、19世紀中庸ですから、ワルターが音楽に目覚めて本格的に勉強を始めた頃に聴いたシューベルトの交響曲は、ちょっと古いけどほぼ同時代の音楽だった訳です(今年生まれた子どもが中学生になってビートルズを聴くような感覚でしょうか)。

だから、ワルターのシューベルトは、今聴ける演奏の中では、作曲者に最も近いものと言えるでしょう。ゆったりと滋養に富んだ響きです。録音もステレオ最初期ながら、当時の最高の技術で録音されています。管、弦、打のそれぞれの楽器の音の粒立ちを聴けます。

ザ・グレイトには語るべき逸話があります。

それは、これだけの名曲でありながら、シューベルトの生前には演奏されたことが一度として無かったということです。偉大なる芸術作品に散見されることではありますが、同時代の人々にはその真価がなかなか理解してもらえないのでしょうか。

それどころか、没後10年経って、初めて遺品の中から楽譜が発見されるまでは、その存在すら知られていなかったのです。歴史の闇の中に埋もれてしまって、後世の僕たちが聴く機会が永遠に奪われてしまった可能性もあったのです。


シューベルトは1828年11月、腸チフスが直接の原因で(遠因は梅毒で)死亡します。シューベルトは、本当に多作で、旋律が閃くと手当たりしだいにメモしていた自筆譜が沢山ありました。歌曲が600曲以上、交響曲、管弦楽曲、ピアノ曲等々も300曲以上ありました。

この中には、最終的に完成したものだけではなく、旋律の断章だったり、途中で放棄したものも含まれていました。生前に出版されたのは、実際にシューベルトが作曲したものの一部でした。ですから、出版されなかった曲や公開演奏されなかった曲の楽譜や草稿は、遺品として実の兄フェルディナンドが個人的に保管していました。要するに、文字通りお蔵入りしていた訳です。


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この世を去ってから11年後の初演
そして、10年が経過しました。

その間、シューベルトの音楽の評価は徐々に高まっていきました。その頃、シューベルトの歌曲に魅せられたのが、若きロベルト・シューマンでした。当時、シューマンはライプチッヒを本拠地としてピアノ曲を中心に作曲活動しつつ、音楽批評を出版していました。シューベルトへの憧れからウィーンを訪問し10回忌の墓参をします。

その機会にシューベルトの兄フェルディナンド宅を探し出し、アポなしで訪問するのです。そこでフェルディナンドから遺稿を見せてもらった時に、ザ・グレイトを発見するのです。新進気鋭の作曲家兼音楽批評家のシューマンですから、一目見てこの作品が偉大なる交響曲であることを見抜きます。

批評家としても一流であったシューマンはザ・グレイトを評して、「堂々たる作曲技術以外に、多種多様多彩を極めた生命が最も微妙な段階に至るまで表れている上に、到るところに深い意義があり、一音一音が鋭利を極めた表現を持ち……天国のように長い。……この交響曲は、僕らに、どんなベートーヴェンの交響曲にも見なかったほどの効果を与えた」と絶賛しています(シューマン著『音楽と音楽家』(岩波文庫版p168~178)。


シューマンは、フェルディナンドの許しを得て、この楽譜をメンデルスゾーンに送ります。そして、1839年3月、ついに、ザ・グレイトがメンデルスゾーンの指揮のライプチッヒ・ゲヴァントハウス演奏会で初演されます。当然と言えば当然ですが、大好評を博し、正当な評価を得ます。曲が完成してから11年を経てのことでした。


第8番、9番どっちがホント?
実は、この曲には様々な疑問が沸きます。

そもそも何故“ザ・グレイト”という表題なのか? 誰がつけたのか? シューベルト自身がよほどの自信を持って“偉大なる”などというタイトルを本当につけたのか? 

この交響曲はハ長調ですが、シューベルトにはもう一つハ長調の交響曲があります。第6番です。後世の人々が、区別するために、第9番を大きなハ長調の交響曲としたのです。ドイツ語のLa Grandeが、英訳された際にThe Greatとなったのです。当初は、偉大なという趣旨ではなく、あくまで区別するための呼び名でした。しかし、作品自体が素晴らしいので、ザ・グレイトという呼び名が本当にフィットしますよね。

それと、超トリビア的になりますが、番号についてです。ここでは交響曲第9番としていますが、ザ・グレイトを第8番としてあるのもあります。場合によっては、第9(8)番とか第8(9)番としてあったり。で、一体何番なんだ?それに、D944という番号は一体何なんだ?という疑問もあります。

実は、シューベルトの交響曲は、生前には一つとして出版されたものはありません。しかしオットー・エイリヒ・ドイツュという音楽学者が、作品を整理し歴史的な検証をしました。現存する全てのシューベルトの曲を完成順に整理したのがD番号です。ちょうど、モーツァルトにおけるケッヘル番号と同じです。

はっきりしているのは、1番から6番までは作品として完成していて、生前、私的には演奏されています。しかし、問題は7番です。D729として知られているホ長調の曲が従来は交響曲第7番とされていました。この曲は1楽章から4楽章まで曲としては出来上がっていますが、総譜としては完成していません。ただピアノによる草稿では、各楽器の割り振りが指定されています。

それ故、後世の作曲家がシューベルトのピアノ版を基に独自にオーケストレーションしたものはあります(ネヴィル・マリナー指揮アカデミー盤〈写真〉はとてもシューベルト的ですから、興味のある方は是非聴かれることをお薦めします)。しかし、最近、この7番(D729)を正式に交響曲第7番として認知すべきか否かが音楽学者らの間では論争になっています。除くべきという立場ではザ・グレイトは第8番になります。従来の慣行に従えば、第9番です。まあ、ザ・グレイトが8番でも9番でも価値に変わりはありませんけどね。


作曲年と消失した経緯も謎
あと、実際の作曲年と消失した経緯等については、未だに謎に包まれています。1825年、シューベルトは28歳。ウィーンを離れることは稀だったけれど、その年の夏にオーストリア北部を旅行し、大いに創造中枢を刺激され、その時に作曲されたとの見方が支配的です。そして、同年ウィーン楽友協会の補欠理事に推挙されると、その返礼として翌26年に楽友協会に献呈しました。しかし、これが何らかの理由で消失したというのです。

一方、残された自筆譜には完成の年が28年3月となっています。この自筆譜の紙を調査・分析すると透かしの模様が25年当時のものだという説もあります。更には、25年の曲に大幅に手を入れて出来たのが、ザ・グレイトだとの見方もあります。

これも、ザ・グレイトの音楽の素晴らしさに直接関係する事柄ではありませんが、興味の尽きないところです。

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ザ・グレイトの名盤としてあと2枚だけ紹介します。

まず、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル盤(写真・上)です。1951年、フルヴェン最晩年、ベルリンのイエス・キリスト教会での録音です。抑制的ながら押さえ切れない熱がほとばしります。

そしてクラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団盤(写真・下)です。イタリア人にドイツ音楽がやれるのか?との疑問を完全に払拭する演奏です。第2楽章冒頭のオーボエの歌わせ方が最高です。

浮世のことは、忘れて、しばし、音楽に耽溺してみましょう。ザ・グレイトの美しき響きが身も心もリフレッシュしてくれます。シューマンが喝破したとおり、天国の如き時間を過ごすことができるはずです。

(音楽愛好家・小栗勘太郎)

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