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仏像ブーム 若者をひきつける魅力とは(下)

□東京国立博物館 学芸研究部調査研究課東洋室長 浅見龍介氏インタビュー
≪仏教に興味なくても構わないんです。それなりの年齢になれば、ありがたさがわかるから≫

■Q:仏像展示の企画は誰がしているのでしょうか
通常、特別展の企画の流れは2通りあります。1つは研究員が企画する形式。5年前の2006年に開催した「一木造りの仏像展」は当博物館の研究員が、奈良時代の終わりから平安時代のはじめごろに流行した一木造りの仏像の造形などについて研究をしていて、その研究を元に企画しました。

もう1つは、お寺のほうから依頼される場合。阿修羅展はそれにあたります。阿修羅像を所有している奈良県興福寺では当時、中金堂再建という事業をやっていまして、そのことを広く世間に知ってもらいたいという思いから当館に話がきました。当館としても意義深い内容なので、やりましょうと。

あとは日本の、特に国立博物館あるいは国立美術館が自主企画展をやろうとすると、非常に予算がかかり厳しい。そこでマスコミと共同開催をすることが多いです。マスコミのほうから展覧会をやりたい、とお寺あるいは博物館に相談がきて、開催していくこともあります。


■Q:仏像を「かっこいい」対象としてみることについては?
全然関心がないよりは、ずっといいと思います。仏像は信仰の対象という側面がありますが、その一方で彫刻ですから、彫刻作品としてかっこいいということなのでしょう。

しかし、かっこいいだけであったら、その後、人々の関心が広がっていくでしょうか。例えば帝釈天が好きであれば、帝釈天がそもそも何だろうとか、もう少し分け入っていく気持ちがあると、面白い部分がどんどん広がっていきます。奥はずっと深い。何百年研究しても研究しつくせないくらいありますから。阿修羅像も、あどけない姿だけれども、今われわれが見ても癒される。

過去の人々はどんな思いで見ていたんだろう、また、時にはすっごい怖い顔の仏像もありますから、これはどうして造られたんだろうとか、そういうふうに考えていってほしいです。関心が広がっていくと、仏像はバラエティーにも富んでるし、奥も深い、幅も広い。そういうところに入ってきてもらいたいですね。


■Q:展示を通して、来場者に伝わってほしいこととは?
仏像には、信仰の対象という部分があります。そこには、何らかの祈りが込められている。そして木彫像、仏像がこれだけたくさん、数百年や千年もの間、守り伝えられている国っていうのは他にはない。大抵は壊されちゃうとか燃やされちゃっています。それでもこれだけの量が残っている。ということはかなり大事に守り伝えられてきた訳です。

なぜ、大切にされてきたのか。人々は、ただ美術品として大切にしてきた訳ではありません。仏様への祈りの気持ちがあるからです。これは、後世にも残さなければいけないのです。

飛鳥時代、奈良時代、平安時代、その前期と後期、鎌倉時代と、時代で仏像の姿形がだいぶ変わってきます。それらがどうして変わってきたか。中国の影響もあるし、美意識の変化とか、あるいは人々の病気、社会的な状況のなかでのいろんな思いが込められていき、変わってくる。

そういうものが仏像を研究するとわかる可能性があります。一挙にわかるということはないけれど、研究していくことで、文字では描かれていないいろんな状況や昔のことがわかってきます。そういうことを研究し、わかりやすく人々に話をして、興味を抱いていってほしいです。

日本の彫刻というのは、世界に出しても、非常に高い水準にあると思います。単純に彫刻として仏像が好きでもいい。そういう人もおそらく、それなりの年齢になれば仏教っていうものに関心がいくようになります。仏教というのは、そもそも人生というものは苦しいものであるということを言っている宗教で、僕は私は苦しくないから仏教には関係ないと思ってても別に構わない。

若いうちに仏教に興味がなくても、それはそれでいいんです。年がたつと、仏教のありがたさがわかってくるようになると思います。そのときに、今までたくさんみてきた仏像、かわいいとかかっこいいとか思ってみてきた仏像が、ああそういうものだったんだと気付いてもらえればいいんです。

(リポーター:武蔵野美術大学 プリントメディア研究ゼミ/SANKEI EXPRESS)

■浅見龍介氏 東京国立博物館学芸研究部調査研究課東洋室長。2006年開催された特別展「仏像-木にこめられた祈り」などの特別展を担当。今年(2011年)10月25日から開催される、法然上人800回忌・親鸞聖人750回忌特別展「法然と親鸞 ゆかりの名宝」も担当されている。

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≪若年層の来場者が増加!!≫
若年層の仏像に興味を示すようになった動向は、数値にも現れている。

2006年開催「最澄と天台の国宝」と2009年開催「国宝 阿修羅展」の来場者の年齢を比較すると、阿修羅展では60代・70代の来場者が5%以上減少し、30代・40代の割合が増加しており、若年層の増加が見受けられる。

・天台宗開宗1200年記念 特別展「最澄と天台の国宝」。2006年3月28日(火)~2006年5月7日(日)

・興福寺創建133記念「国宝 阿修羅展」。2009年3月31日(火)~2009年6月7日(日)


【東京国立博物館で開催された主な仏像展】
2011年 特別展「手塚治虫のブッダ展」

2010年 光明皇后1250年御遠忌記念 特別展「東大寺大仏-天平の至宝-」

2010年 特別展「細川家の至宝 -珠玉の永青文庫コレクション-」

2010年 特別展「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」

2009年 興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」

2008年 特別展「スリランカ-輝く島の美に出会う」

2008年 平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」

2007年 足利義満600年御忌記念「京都五山 禅の文化」展

2006年 「仏像-木にこめられた祈り」

2006年 天台宗開宗1200年記念 特別展「最澄と天台の国宝」

2005年 中宮寺 国宝 菩薩半跏像

2005年 興福寺創建1300年記念 特別公開「国宝 仏頭」

2005年 「模写・模造と日本美術 -うつす・まなぶ・つたえる-」

2004年 十七条憲法制定1400年記念 特別公開「法隆寺 国宝 夢違観音 -白鳳文化の美の香り-」

2004年 弘法大師入唐1200年記念「空海と高野山」

2004年 「中国国宝展」

2004年 金堂平成大修理記念「唐招提寺展 国宝 鑑真和上像と盧舎那仏」



【編集後記】
★今まで仏像というと、仏教徒としての自分を意識する存在程度にしか思っていなかったが、もっと気軽に向き合ってもよいのだと気付かされた。ぜひ、この夏、空海展に足を運んでみたい。(武蔵野美術大学 プリントメディア研究ゼミ 小林雅枝)

★仏像には、その姿形だけでなく、それぞれの仏の生き方や仏像が意味していること、神という存在、目には見えないけれど心で感じ取れる、神秘的な魅力があることを知った。(武蔵野美術大学 プリントメディア研究ゼミ 小林祐美)

★美術展に興味はなくとも、阿修羅展には足を運んだという人がいた。興味のない人間を行動させることほど難しいことはないが、そうさせるだけのわかりやすい、伝わりやすい魅力が阿修羅像にはあり、知るきっかけになるメディア露出も多かった。そうして生まれた美術品の仏像ブーム、次は何が出てくるのだろうか。(武蔵野美術大学 プリントメディア研究ゼミ 神尾真帆)


武蔵野美術大学 プリントメディア研究ゼミ

編集長 :神尾真帆

図・文章:小林雅枝、小林祐美

取材協力:東京国立博物館 〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

[東京国立博物館 HP] http://www.tnm.jp/

[交通案内]JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分、京成電鉄京成上野駅、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅より徒歩15分

[問い合わせ]03-5777-8600(ハローダイアル)


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