セルゲイ・ラフマニノフ 「ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18」 | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

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週刊ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/21083

セルゲイ・ラフマニノフ
「ピアノ協奏曲第2番ハ短調 作品18」
作曲家の思いが心の琴線に直接共鳴し、聴く者の心がキュンとなる


古今東西の音楽のなかでも、屈指の名旋律の宝庫です。音楽を聴いて、癒されたいとか、胸がキュンとなりたいといった気分の時に聴けば、効果抜群です。例えば、道ならぬ恋にはまって切ない思いに悩んでいるとか、片思いで先方が振り向いてくれないとか、綺麗に別れたたはずだったのに、未だに引きずっていて立ち直れないとか、様々な恋愛症候群の人が聴けば、まるで自分自身が何処かの映画の(悲劇の)主人公になったような気持ちになれるはずです。

それくらい、旋律のチカラに満ちた曲です。マリリン・モンロー主演で有名な映画「7年目の浮気」や、アカデミー賞とカンヌ映画祭グランプリ受賞のデビット・リーン監督「逢いびき」でも使われて、大いに雰囲気を盛り上げたわけです。だから、クラシック音楽の得意でない人でも聴けば、きっと「ああ、これね。聴いたことがある」と思うはずです。兎に角、品の良い哀愁のメロディーが静かに、でも、確実に胸の奥のツボに触れます。


ピアノのタッチがとてもエロい
名演多数ですが、一押しは、アルチュール・ルビンシュタインのピアノとユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の盤(上記写真)です。未だにルビンシュタイン盤を超える録音はない、と断言します。何故か? 理由は簡単です。ルビンシュタインのピアノのタッチがとてもエロいのです。ため息が出ます。

しかも、この名盤はルビンシュタイン84歳の時の録音です。84歳。老境にあって、あの難曲を完全に弾き倒し、かつ余人には到達できないエロスの音世界を構築してしまった。ほとんど神業です。1887年(明治20年)生まれが84歳というのは、1971年の録音とうことです。録音技術も十分に確立している時代なので、音質はもともとしっかりしていますが、最新テクノロジーによるリマスターで音質が更に向上しています。チカラ強く洗練された繊細なタッチが味わえます。

実は、ラフマニノフがこの曲を完成させたのは28歳の時です。この作曲の経緯は後で触れますが、いろいろ、本当にいろいろあって(人生いろいろですから)、生まれた世紀の名曲です。だから、若き日の悩みや葛藤や陶酔が溶け込んでいます。もちろん、過敏な恋愛中枢をこれでもかというほど刺激する若い感性がほとばしっています。

要するに蒼く瑞々しい若さに溢れた曲なのです。それを84歳のピアニストが弾いているのです。妙な例えですが、84歳の俳優が27歳の青年の役を演じることを想像してみて下さい。ルビンシュタイン恐るべし、です。人生のすべてを経験し、性愛と官能を味わい尽くし、その甘さも苦さも痛さも知っているからこそ表現できる境地に達したのです。だから、若いモンにはまだまだ負けんよ、この艶っぽい音は出せんだろう、という翁の高笑いすら聞こえて来そうです。


遊びの達人
ここで少し、ピアノについて触れます。ピアノという楽器は、鍵盤を押せば(叩けば、あるいは上方向から力を加えれば)中のハンマーがピアノの中に張ってあるピアノ線を打って音が出ます。だから、誰が鍵盤を押しても(仮に猫が押しても)基本的には同じ音が出ます。Aさんが弾けば少々フラットするとか、Bさんのピアノは音痴だといったことはありません。ここがヴァイオリン等の弦楽器と決定的に違うところです。とにかく、誰が弾いても同じ音が出るようになっているのがピアノです。しかも豊かで美しい響きです。強弱も思いのまま、和音も出せるし、グリッサンド奏法もできるので表現力抜群です。楽器の王者の名に恥じない最強の楽器です。

それなのに、ルビンシュタインのピアノが他の奏者と違うのは何故か? 特に高音域において単音でメロディーを歌わせるところが、とにかく艶っぽくエロいのです。これは、強弱のコントロール、一つ一つの音の長さ(同じ8分音符でも鍵盤を押さえている長さで音の長さが変わります)、一つの音から次の音へつながる時の微妙な間、左右10本の指がそれぞれ明確な意思を持って音を完璧に制御すること、さらには右脚による絶妙なペダル・ワークなどのたまものです。これらの技術を使って音楽を創る訳ですが、技術だけでは、優れた音楽はできません。

最高水準の技術に魂を吹き込むのがルビンシュタインの感性です。そこが凄いのです。音楽イコール技量ではないところが極めて重要なところです。完璧なテクニックに立脚した豊かな音楽性。鬼に金棒です。

で、ルビンシュタインの音楽性の深淵に迫ると、実は、非常にシンプルなのです。要するに、彼は遊びの達人なのです。かつてルビンシュタインと演奏旅行をしたこともある小澤征爾は、「ずっと旅行に連れて歩いていた女性秘書がいまして、背が高くて、すらっとした人。奥さんは嘆いてましたけど。まったくあの人はねぇ……。でも女性にはもてましたよ。それからうまいものが好きで、ミラノなんかでもすごい高級料理店に行って、そこで自分のための特別料理をつくらせるんです」と語っています。

ルビンシュタインのピアノがエロい、というのも頷(うなず)けるでしょう。品の良いエロスと人生の歓喜に満ちた響きです。クラシック音楽というと、非常に真面目な印象を与えますが、実はとてもヒューマンなのです。


完膚なきまでに叩きのめさる
ところで、ルビンシュタイン翁のピアノが如何に凄くても、作品そのものがつまらなければ話にならない訳です。この作品自体が素晴らしいのは言を待ちませんが、名作に相応しいドラマがあります。決して右から左にささっとできた曲ではないのですから。

ラフマニノフは有力な貴族の家系ですが、彼の少年時代に放蕩の父が破産してしまいす。が、音楽的才能に溢れた少年には、ピアニストへの道がありました。父のDNAが少年を遊び好きにし、音楽学校を落第してしまいます。しかし、そこは天才というか、ピアノの神様に選ばれた少年ですから、種々の経緯を経て、モスクワ音楽院に入ります。

そこで作曲の才能も花開き、チャイコフスキーも彼の才能を高く評価し最優秀の成績で卒業します。才気溢れるラフマニノフ、前途洋洋、のはずでした。しかし、強烈な挫折を味わいます。自信満々で発表した交響曲第1番の初演が大失敗し、音楽関係者から酷評されます。この曲を捧げた女性からも愛想を尽かされ、完膚なきまでに叩きのめされます。自信喪失と鬱、神経衰弱。再起不能の瀬戸際です。

(注:もし、ご関心あれば、映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」、パーヴェル・ルンギン監督。エフゲニー・ツィガノフ主演、をご覧になればよく分かります。ちなみに、このツィガノフがラフマニノフにそっくりですよ)

そこで、心の奥底の闇に沈んでいたラフマニノフは、精神科医ニコライ・ダーリと出会います。ダーリ医師こそ光明を与えたくれた救い主です。医師は最新療法を施し、ラフマニノフに「あなたは素晴らしいピアノ協奏曲を作る」との暗示をかけます。この暗示療法は功を奏します。徐々に自信を取り戻すラフマニノフでした。


旋律の中に思いが溶け込む
しかし、ラフマニノフは、目を閉じて、天から素晴らしいメロディーが降ってくるのを、ただ指をくわえて待っていたわけではありません。ピアノの前に座り、ありとあらゆる和音やリズムを試し、精神的には七転八倒していました。心には様々な思いが去来します。甘美な記憶、賞賛と誇りに満ちた瞬間、屈辱の時、後悔と諦観の日々、再起への決意……。心には葛藤があり、頭と指は美しい旋律を捜し求めます。そして、やっと探し出し紡ぎ出した旋律の中には、ラフマニノフの思いが溶け込んでいきました。

映画「フェリーニの8 1/2」には、ある映画監督が直面する創作の懊悩が美しくも驚きに満ちた映像で語られます。ラフマニノフの心境もほとんど同じだったでしょう。

ただし、映画ではその物語を雄弁に言葉と映像で語ることができますが、音楽そのもので物語を語ることはできません。全ては音の連なりですから、一つ一つの音にどれだけの思いが込められているかは、聴衆の直感に委ねられています。

逆説的ですが、音楽では具体的な物語を語れません。それでも、いや、それだからこそ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は人の心を打ちます。言葉を介在させることなく、旋律に込められたラフマニノフの思いが聴衆の心の琴線に直接共鳴しているのです。直接、感情を刺激するのです。だから、一切の予備知識がなくても、あのメロディーを聴けば、心がキュンとなるのです。


音楽評論家の評価は低くとも……
しかし、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、チャイコフスキーの二番煎じだ、といった評価もあります。旋律は美しいけれど、音楽的には19世紀ロマン派の域を出ていない、とか。音楽評論家の世界では必ずしも最高の格付けを得ている曲ではありません。例えば、文化勲章受賞の音楽評論家・吉田秀和は「チャイコフスキーの後塵を拝しているに過ぎない」と断じています。

しかし、その上で、それでも世紀の名曲選に選ばないわけにはゆかない「何か」があると指摘しています。そうです。その正体こそ、旋律のチカラです。旋律のチカラの源泉は、ラフマニノフの思いです。その思いが奇跡的な高純度で旋律に結晶しています。

結局、音楽は音学ではないのですから、聴く人の感動の質と量によって、それぞれの曲の価値が決まるのです。その意味では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、すべてのピアノ協奏曲、いやクラシック音楽の中でも最高峰に位置すると言えます。

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ルビンシュタイン盤は別格ですが、次に聴くべきは、ラフマニノフ自身が弾いた盤です(上写真[上])。ラフマニノフ自身、当時の最高のピアニストでし た。古い録音ですが、作曲者自身の思いがこれほど詰まっているものもないでしょう。更に、聴くとすれば、伝統的な名盤としてリヒテル盤(上写真[2])と アシュケナージ盤(上写真[3])。こちらは1番から4番まで全曲録音です。最近ではツィマーマン盤(下写真[4])。日本勢では、辻井伸行盤(下写真 [5])です。名将・佐渡裕が情熱的に支えています。

音楽を聴くことの喜びとその意味を改めて実感させてくれる名曲です。

(音楽愛好家・小栗勘太郎)


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