北方領土問題で思う日本の戦略的思考のなさ…プーチン再登板を機に日ロ関係の「質的進化」を | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

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週刊ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/16638

北方領土問題で思う日本の戦略的思考のなさ
プーチン再登板を機に日ロ関係の「質的進化」を!!

方領土問題を考えるたびに思うのは、日本の戦略的思考のなさである。4島が日本の固有の領土であることにはいささかの疑いもない。他方、今日、ロシアとの間で4島が日本に帰属するという合意を作ることは容易ではないことも、事実なのだろう。

一方において、台頭する中国にどう取り組むのかといった東アジア政策やエネルギー政策を考えるとき、日本にとってのロシアの重要性は増している。中露関係は国境線の確定により飛躍的に拡大しているが、ロシアにとっても極東部分を中国のみに依存することは好ましいことではなく、日本との関係の重要性は増しているはずである。


容易に合意できない北方領土問題が
日ロの戦略的関係の活用を難しくする

しかし、北方領土問題の存在は日ロが戦略的関係を最大限活用することを難しくしている。北方領土問題の存在が個別の日ロ協力案件の致命的な阻害要因となっているわけではないが、やはり未解決の領土問題の存在や平和条約がないことが、事実上両国関係を大きく発展させる心理的な阻害要因となっていることは否めない。

もし日ロ関係を飛躍的に拡大することが日本の国益であるという判断をするのであれば、日本は現実を直視しつつ、戦略を練り直す必要がある。従来の政府方針は「4島の帰属に関する問題を解決して平和条約を締結する」「返還の時期、態様については柔軟に考える」ということである。

すなわち、日本の立場からすれば、返還の時期はともかく、56年宣言に盛られた歯舞・色丹の2島だけでなく、歯舞・色丹・国後・択捉の4島全てに関する帰属問題で解決を見ない限り平和条約は結ばない、という方針である。

しかし、待っていればロシアが柔軟になると見通せるのであればまだしも、このまま未来永劫こう着状態を続けるというわけにも行くまい。

もちろん、日本が4島のいずれについても領有権を放棄することは考えられない。1956年の日ソ共同宣言に盛られている歯舞・色丹の2島については、日本への引き渡しが明記されている。問題は、国後・択捉の2島についてどういう仕組みを作るかである。

この2島について、他の2島と切り離し協議は続けるという方式も、日本の領有権の主張が色あせていくといったことになるのが危惧される。

他方、たとえば、この2島に対する日本の関与を深める仕組みが作られ、一定時期を区切って帰属について結論を出すといったことは、工夫と言い得るのかもしれない。この点については色々な知恵はあるのだろう。

もし平和条約に適切なレビュー条項が設けられ、国後・択捉2島について帰属が明確化していなくとも、一定の方向性が示されれば、条約締結に踏み切るというのは1つの政治判断なのだろう。

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プーチン大統領の再登板はチャンス
日本は平和条約作業を再出発させるべき

プーチン大統領の再登板は、1つの大きな機会と捉えるべきなのだろうと思う。先日報道されたインタビューを読めば、プーチンは従来と異なることを言っているとは思えないが、問題を理解し、問題解決への意欲は示しているように思える。

プーチンが言う「引き分け」は、双方が勝者になるような解決を意味したのであろうが、その具体的な内容は今後の交渉次第ということなのであろう。

ここ数年、大統領や高官がそれみよがしに北方領土を訪問し、あたかも問題がないような態度をとったのに比べれば、問題解決への真剣さを感じることができる。プーチンが言うように、「始め」の号令で平和条約作業を再出発させ、創造的な方法について虚心坦懐に議論させるべきであろう。


北方領土問題解決のために必須の要素
日ロ関係を質的に進める認識を明確化

ただ、この問題が解決の道を歩むためには何点か必須な要素がある。第一には、日ロ関係を質的に進めることが政治、経済、安保という多角的な観点から両国各々に資するという認識が、各々の国内で明確でなければならない。

冷戦時代にこのような認識がなかったのは、明らかであろう。ソ連は敵陣営にあり、日本は西側陣営の一員としてソ連を囲い込む政策に寄与していた。ソ連邦の崩壊後90年代初めには、日露双方には関係改善が両国にとって必要であるという認識が芽生え、第一期プーチン大統領時代初期にもそのような機運が高まった。

北方領土問題に多少とも動きがあったのは、特にロシア側に日本を重要視する戦略環境の変化があったときである。残念ながら、過去10年近くは中国の飛躍的な台頭もあり、日ロ双方の関心はお互いには向かわなかった。

他方、中国の飛躍的な台頭にどう向き合っていくのかは、今日の世界の最大の課題である。であるが故に、日露双方とも中国との関係性において、両国関係の戦略的意味合いを評価する必要がある。

ロシアにとって、ロシア極東部の振興は重要な内政課題である。資源が豊富である一方、多くのロシア人が欧州部に移動しており、人口は減少傾向にある。ソ連崩壊後の20年間に160万人の人口減少である。

そこに進出してきたのが中国である。ロシア極東部での資源開発や食糧生産に多くの中国人労働者が流入し、その数は25万人を超えると言われる。中国との貿易の飛躍的拡大もあいまって、ロシアの中国依存は急速に高まっている。2010年には、中国はドイツを抜いてロシアにとって最大の貿易相手国となった。

ここ数年、メドベージェフ大統領やプーチン首相が繰り返し極東・東シベリアの視察を行なうのは、理由あってのことである。ロシアは世界の成長センターたる東アジアにおいて存在感を上げるべく、東アジアサミットの正式メンバーとなったほか、本年のAPEC首脳会議をウラジオストックに招致するなど、活発な外交を展開する兆しがある。

対米関係や対欧関係を見据え、中国と緊密な関係を維持することはロシアにとって既定方針であろうし、イランやシリア問題など、近年ロシアと中国が共同歩調をとっていることも周知の事実である。

しかしながら、大国主義的傾向のあるロシアが中国への依存が一方的になっていくことに、もろ手を挙げて歓迎しているわけはなく、むしろ大きな懸念を有しているのだろう。これは、中国と国境を接するロシア軍管区の強化や、武器輸出の減少に示されている。中国をバランスする力を持つ国は、東アジアでは日本しか存在しない。

日本にとっても、今後原子力発電の将来が不透明であり、ロシアの天然ガスなどの豊富な資源はますます重要となる。ロシアは世界最大の原油産出国であり、世界最大の天然ガス埋蔵国である。貿易関係も現在の水準は低く、飛躍的に拡大させる余地は大きい。

シベリアパイプラインやシベリア鉄道の近代化など、日露の大型協力プロジェクトも数多い。近年海氷面積の減少もあり、北極海のロシア沿岸部航路の可能性が議論されているが、これが実現すれば日本から欧州への輸送路としての意味は大きい。
また、東アジアで中国と適切なバランスを作るという意味で日ロ関係を強化する戦略的意義は大きい。

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日ロ双方において必要なのは
ポピュリズムに走らない安定政権

第二に必須な要素は、日ロ双方においてポピュリズムに走らない安定した政権が存在することである。プーチン大統領については、今回の選挙では従来には見られなかった草の根の抵抗運動がでてきたし、これに対し選挙民の歓心を買うべくバラマキ的な社会政策をとった。

今後ロシアでも中産階級の市民レベルの力が拡大し、プーチン自身強権的な体質から脱皮し、よりリベラルな統治に向かわざるを得ないのかもしれないし、第一期ほど政権が安定するわけではないと見る向きも強い。

日本においては、現在の民主党政権が安定的で強い政権とは考えられない。日ロ関係を飛躍的に発展させることが国益であり、このためには平和条約の作業を加速させ、場合によっては一定の妥協をして平和条約を結ぶというという行動は、決して弱い政権が取り組めることではない。

領土問題の創造的解決は、確固とした覚悟を持って取り組まねばならない。日本に安定した政治が必要であるのは、単に北方領土問題の故だけではない。増税や社会保障改革、農業改革などの内政課題や、対米関係、東アジアとの関係など、いずれをとっても正念場に来ている。

政局に明け暮れるのではなく、安定した政権を作るという観点から政治が展開されるのを切に望みたいと思う。


外交における合意は、ウィンウィンを
つくることによってのみ成立するもの

外交において眼を背けてはならないのは、戦争が禁じられていなかった時代と異なり、合意はウインウインを作ることによってのみ成立するという点である。ポピュリズム的傾向が強くなればなるほど、日本の立場に沿った声高な主張をすることはあっても、具体的解決に向けて戦略を構築するということにはなりにくい。

合意はウインウインでなければならず、日本も国内的見地からすれば一定の妥協と映る譲歩をせざるを得ない。昨今の対外重要課題にはそのような側面が強い。普天間に象徴される沖縄問題、北朝鮮との関係での拉致問題、農業を含むTPP交渉、そして北方領土問題。

もちろん、本質的な部分で日本が妥協するようなことはあってはならない。しかし相手がある以上、前に進めていくためには一定の範囲で妥協をしていかざるを得ないのも事実だろう。もちろん、緻密な戦略に基づく交渉があっての話ではあろうが。


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