WBS特集 製造拠点 ”沖縄” の可能性
法人税の実効税率
日本：40.69％
中国：25.00％
韓国：24.20％
シンガポール：17.00％
日本の40.69％は、ダントツの高さですね…これじゃ海外に拠点を移す企業が続出するはずです…しかし日本にも22.9％にエリアがあります。
沖縄の経済特区です。…沖縄振興特別措置法による優遇措置ですが4月からは、更にシンガポール並みの19.5％まで下がります。
この沖縄の法人税優遇措置は、新たに法人を立ち上げれば適応されます。
ものづくり ”第3の道”
沖縄の可能性
神奈川県厚木市の自動車開発大手のピューズ…電気自動車などの部品を開発し、大手メーカーにも納入しています。
この会社、電気バスの製造も手掛け、シェア9割、生産が需要に追いつきません…近くに工場を作ろうとしましたが土地代や人件費が高く採算に合いません。
ピューズ 宮下泉 執行役員
「海外移転も考えましたが仕事の質を考えるとどうしても日本国内で作業をやらせたいという思いがあります」
質の維持とコストをどう両立させるのか…ピューズが選んだのは沖縄でした。…那覇から車で45分、沖縄中部に位置するうるま市、ここに先月稼働したばかりのピューズの工場がありました。
工場の立上を任された牛島さんと辻さん…新たに3人の従業員を雇い電気バスの製造に取り掛かっていました。…注文に合わせバスのエンジンを外し、電気モーターに切り替える作業、職人技が要求されます。
ピューズ 技術部 牛島譲 主任
「言葉が通じるので感覚的なニュアンスが伝わりやすいです」
沖縄は全国と比べても人件費が2割～3割安く、若者を雇うと給料の1/3が補助されます…初任給で比較すると全国平均20万円のところ半額で雇える計算です。
更に大型のモーターやバッテリーは海外製、この工場で海外から使った部品を使って製造し、それを海外に輸出する場合、関税や消費税が免除されるのです。
沖縄で製造する事でコストを3割削減、3年後には沖縄法人を設立し、法人税の減税も狙います…このピューズの工場があるのは、東京ドーム26個分の広さのある経済特区です。
沖縄県 企業立地推進課 金城次男 主査
「ここは特別自由貿易地域（経済特区）です…4月からは、新しい制度に変わり、法人税が現在の23％から19％になり、シンガポール並みの実行税率になります」
■この特区には、32社が進出し来年度も新たな工場の進出が予定されています。…2009年には全日空が那覇空港に国際的な物流拠点を作るなどインフラが整いつつあるのも追い風です。
■日本の南端にある沖縄も視点を変えれば東アジアの中心、地理的条件も強みに変わりつつあります。
■日本が高度成長に沸いた1960年代、その頃アメリカの統治下にあった沖縄は、製造業の育成が決定的に遅れました…遅れを取り戻すために作られた様々な優遇制度、今、本土が円高の逆風に揺れる中、改めて注目されているのです。
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