「ハゲタカ」の魅力を振り返る ハゲタカシリーズスタート!! 真山 仁「グリード」 | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

個人投資家向け収益不動産検索サイト e-不動産販売公式アカウントです。
マンション経営、アパート経営でお困りの大家さん、収益不動産購入に伴う銀行融資などの不動産投資相談をお受けします。最新の賃貸経営は日々進化しています。一緒に勉強しましょう。

「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-1

週刊ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/15550

「ハゲタカ」の魅力を振り返る
ハゲタカシリーズスタート!! 真山 仁「グリード」

ドラマ、映画化もされた経済小説「ハゲタカ」の続編が、本誌1月28日号から連載を開始する。続編のタイトルは「強欲」を意味する「グリード」。ハゲタカシリーズに込められたメッセージとは何か。作者である真山仁氏のインタビューとともに、作品の魅力を振り返りたい。

「日本を買いたたく」。そう宣言し、企業買収を仕掛けるハゲタカファンドの鷲津政彦。鷲津に対抗しながらも、その権謀術数に翻弄される元エリート銀行員の芝野健夫──。「ハゲタカ」シリーズの魅力は、2人の男を軸に現代の企業社会をありのままに描き出す、そのリアリティにある。

1作目の舞台は1997~2004年の日本だった。当時はどのような時代だったのだろうか。

金融業界の構造改革を目指した金融自由化、いわゆる日本版ビッグバンが始まったのが96年である。その結果、銀行、証券、保険と金融業界の大再編が起こる。この間、97年には山一證券が自主廃業するなど、護送船団方式と呼ばれた保護行政は過去のものとなった。

金融業界だけではない。99年には日産自動車がフランスのルノーの傘下に入り、2000年にはそごう、01年にはマイカルが民事再生法の適用を申請するなど、大手や老舗ですら売却、倒産の憂き目に遭う暗いニュースが相次いだ。

また、2000年代初頭~中頃には、企業の敵対的買収が一気に増加した。村上ファンドやライブドア、楽天といった新興勢力が大手企業に買収を仕掛けていった。

大企業だから安心という神話は完全に崩壊し、もはや日常茶飯事となった合併や買収の話題に、経営者から一般の従業員までが右往左往するようになったのである。

こうした時代背景の下、作中では、主人公の鷲津があらゆる金融の手法と情報戦を駆使し、大型買収を成功させていくのだ。

真山仁氏は、小説を書くに当たり、丹念に取材を重ねる。登場する企業や人物はすべて架空のものだが、徹底したリアリティの追求が作品のスリルを増幅させる。シリーズ全体で160万部以上を売り上げ、一級のエンターテインメント作品としての評価を確立した理由はそこにある。

一方、ハゲタカにはその裏に痛烈なメッセージも隠されている。

真山氏によれば、ハゲタカシリーズで訴えたいテーマは「覚悟」だという。

「日本人は未来に対する姿勢が甘過ぎる」と真山氏は言う。バブルのツケの責任を誰も取らず、ずるずると処理を先延ばしするのも「なんとかなる」という甘さからくるものだ。外資系金融機関をハゲタカ呼ばわりして悪玉扱いするのも、買収されるような状況をつくった自らに対する責任逃れにすぎないというのだ。

このままなにもしなければ必ず訪れる自滅を受け入れる覚悟。あるいは、それを避けるために自らの責任を認め、痛みを受け入れる覚悟──。ハゲタカという作品は、日本人全員に覚悟という“踏み絵”を突き付けている。だからこそ、読者は心を揺さぶられる。

これから始まるハゲタカ新シリーズ「グリード」。GREEDとは「強欲」の意である。今度は、どんな覚悟が試されるのだろうか。

ハゲタカの主人公、鷲津政彦とはどのような男なのだろうか。

ジャズピアニストを目指しながら挫折。ふとしたことで企業買収の神様アルバート・クラリスと出会い、買収者の道へ。大阪の船場で生まれ育った“血”のおかげか、みるみる頭角を現す。

だが、彼の“血”に眠っていたのは商才だけではなかった。日本に対する憎悪とも愛情とも言いがたい激しい思いが買収者として頭角を現すと同時に目覚める。不可能と考えられる買収に、次々と奇策を巡らせ、いつしか彼には神鷲(いぬわし)(ゴールデン・イーグル)という異名が。

無敵といわれる男だが、風貌にその片鱗はない。一見、どこにでもいる風采の上がらない男にしか見えない。常に低姿勢に努め、本性が現れるまで誰も彼のすごさを知ることはなかった。

そんな複雑怪奇な男の素顔を知り、公私にわたってサポートする恋人リン・ハットフォード。彼女もまた、弱肉強食の国際金融業界を生き抜いてきた“強者”だった。彼女の信条は“パッション”。揺るぎない強さと鷲津への深い愛情が、時に孤高を託(かこ)つ鷲津の救いともなる。

破天荒ともいえる鷲津とは対照的なのが、芝野健夫だ。

歴史ある大手銀行、三葉銀行に将来を嘱望されて入行するが、世紀末という時代が彼を激動苛烈な世界へと巻き込んでいく。不良債権処理、企業再生、買収防衛など、常に日本経済の最先端に吹く激しい逆風を受けながら生き抜こうと葛藤する。その姿は、日本の企業戦士そのものともいえる。

芝野は、鷲津と出会うことで、さらなる艱難辛苦に遭遇することになる。決してわかり合えない相手だと互いを敵視していた2人だが、いつしかそこに共通の巨大な敵の存在を感じることになる。それはマネーという名の怪物だった。


$「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-真山真
真山 仁(まやま・じん)
1962年、大阪府に生まれる。87年に同志社大学法学部政治学科を卒業、同年4月中部読売新聞(のち読売新聞中部本社)に入社。89年に同社を退職し、フリーライターを経て2004年『ハゲタカ』(ダイヤモンド社)でデビュー。近著は『コラプティオ』(文藝春秋)。
Photo by Masato Kato
 
Interview 真山 仁
21世紀の日本人に問われる
目の前の問題を直視する覚悟


──「ハゲタカ」1作目を発表されたのは2004年でした。
「当時は、バブル崩壊後の失われた10年から間もなく、社会的には厳しい状況でした。そんななか、日本企業の買収者として外資系金融機関の存在感が大きくなり、“外資悪玉論”と呼ぶべき風潮が生まれていました。誰も過去の責任を取らないというのは、日本特有の悪しきシステムですが、「外資がこの国をおかしくしている」と、そのときもまた他人のせいにしようとしていた。」

「日本人にとって21世紀は覚悟の時代であると思います。特に規制緩和の扉が開き、日本はもう、かつての鎖国状態ではない。ところが04年になっても、誰も覚悟できていませんでした。でも、もはや責任転嫁はできない。それが言いたくて、小説を書き進めました。」

「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-2

──われわれが抱える問題、気づかぬふりをしてきた課題に対し、それを直視する覚悟を問うている、と。
「1作目では、バブル期の財テクの結果、つぶれるべくしてつぶれた会社が題材でしたが、2作目の「ハゲタカ2」では、カリスマ経営者の下で多角化に突き進み、身動きが取れなくなった企業を描きました。本業さえやっていれば優良企業だったのに、経営判断を誤ったせいで外資のハゲタカファンドに狙われるという可能性を突き付けたのです。」

「そして3作目の「レッドゾーン」を書いた06年7月頃になると、逆に「外資に買われるのもいいかも」と思ったり、ゴールドマン・サックスが東大生のあいだで就職人気1番だったりとか、世間の外資に対する見方が変わってきていました。」

「でも日本企業はまだ、外資といえば欧米企業で、「中国ごときに買われるはずがない」と思っていました。その一方で中国市場は成長著しいビジネスチャンスだと騒いでいる。そこで、日本最大の自動車メーカーが中国のファンドに狙われるという、実際に起きうるシナリオを示すことで、日本人の覚悟を試したわけです。」

──この数年で、アパレル大手のレナウンや、家電量販店のラオックスなどが中国資本の傘下に入るなど、予言は見事に当たっています。
「”当たった”というか、確率的には十分起こりうることを示したまでです。小説とは必ずしも社会に警鐘を鳴らすことだけが役割ではありませんが、日本人は未来に対して甘過ぎると思いますね。」

──そして今度はリーマンショックが舞台です。タイトルである「グリード」は強欲といった意味ですが。
「ニューヨークの金融関係者への取材では、必ず「グリード」という言葉に対する印象を尋ねました。すると驚くべきことに皆、「それのどこが悪いんだ」と答えるんです。誰かが踊っていたら踊らないわけにはいかないだろう、と。こんなことを続けていたら大変なことになるとはわかっている。でも降りられない。そんな怖さが世界に蔓延しています。」

──今回の作品は企業買収という枠を超えて、人の欲望が何を招くかという大きなテーマになりそうですね。
「現代は成長の限界に直面しています。地球温暖化問題が象徴的ですが、先進国は成長の限界をどうとらえるのか、真剣に考えなければなりません。にもかかわらず、マネーという怪物が世界を席巻して成長幻想を植え付けている。「グリード」では、ハゲタカ本来のテーマを踏まえながら、文明論や、死生観などに移らざるをえませんね。」

──そのなかで、鷲津、芝野はどんな役割を果たすのでしょう。
「鷲津は、いつまでこんなことをやっているんだと憂いているんです。口でははっきり言いませんけどね。そして今度は、資本主義の象徴としての米国を買いたたく。徹底的につぶす破壊者となります。」

「そして芝野には逆に、創造者になってもらう。彼には身の丈で生きていく方法を考え出してもらいたい。3作目で芝野はマジテックという町工場の再建に携わりましたが、ものづくりを通じて、成長ではなく成熟していく術を模索していく。そんな役回りになるでしょう。」

──それは、これからの日本にとっても重要なメッセージですね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海外展開に伴い協力会社を募集します。語学力があれば起業を考えている方でも大歓迎!…お勤めしながらの週末起業でも十分可能かと……気軽にお問合せ下さい。…詳しくは⇒http://ameblo.jp/e-fh/entry-10863926030.html

当社は、一棟マンション、一棟アパートを専門に取り扱う不動産会社です。
[twittre http://twitter.com/e_fh ]
[facebookフアンページ http://www.facebook.com/efh.toushi ]
[e-不動産販売 検索サイト http://www.e-fudousanhanbai.com ]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー