新渡戸稲造が訴えた「野球害悪論」・・現代の野球と、敵を欺くプレーの是非 | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

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Numberより http://number.bunshun.jp/articles/-/144090

1911(明治44)年8月29日、東京朝日新聞は「野球とその害毒」という一大キャンペーンを展開した。その幕開けに登場したのが五千円札でもおなじみの教育者、当時一高(東京大学教養学部の前身)の校長だった新渡戸稲造だった。

新渡戸一高校長談
・野球は賤技なり剛勇の気無し
・日本選手は運動の作法に暗し
・本場の米国すでに弊害を嘆ず
・父兄の野球を厭(いと)える実例

巾着切の遊戯
私も日本の野球史以前には自分で球を縫ったり打棒(バット)を作ったりして野球をやったこともあった。野球といふ遊戯は悪くいえば対手を常にペテンに掛けよう、計略に陥れよう、塁(ベース)を盗もうなどと眼を四方八面に配り神経を鋭くしてやる遊びである。ゆえに米人には適するが英人やドイツ人には決して出来ない。(後略)

「野球とその害毒」は一般に「野球害毒論」と呼ばれ、この日より22回にわたって連載される。悪意に満ちたキャンペーンは安部磯雄(早大野球部初代部長)や押川春浪(作家)などの猛反発にあい尻すぼみになるのだが、その詳細についてはここで述べない。


新渡戸稲造の「野球害毒論」に真っ向から反論した押川春浪の言説
注目したのは「対手を常にペテンに掛けよう、計略に陥れよう、塁(ベース)を盗もうなどと眼を四方八面に配り」という部分である。新渡戸稲造の言葉に関係なく、野球とはそういうスポーツではないのか。否、野球に限らず、世の中で受け入れられているスポーツで計略に陥れようとしないものなど存在しないと言っていい。

野球擁護の先頭に立った押川春浪は、『野球と学生』(安部磯雄と共著)の中でこんなことを書いている。

「もし、敵の虚を窺い、隙に乗ずるを以て巾着切的遊技と言うがごとき、博士の論法を用いんには、撃剣、柔術、庭球、蹴球、競走等いずれか巾着切的遊技にあらざる。博士の言うがごとくんば、自ずから競技という文字は絶対に破壊せらるべし」

ソフトに翻訳すれば、どんな競技でも相手のスキを突いて優位に立つ、そういう要素は少なからずあるのだ、と言っている。


けん制しないのになぜベースカバーに?
話は一気に2011(平成23)年6月15日に飛ぶ。私はCS放送「スカイ・A sports+」が中継する阪神対ソフトバンク戦(ウエスタンリーグ)のゲストとして鳴尾浜球場にいた。解説者は元近鉄などで強打の遊撃手として知られた村上隆行氏である。

この試合、無死二塁の場面がゲーム中盤にあった。1点を争うシーソーゲームだったので、二軍戦と言っても打者にはバントのサインが出ておかしくない場面だ。このとき、二塁走者をけん制するため遊撃手が二塁ベースに入った。けん制球だな、と思った次の瞬間、投手はボディターンをせず打者に向かって投げたので驚いた。

私がアナウンサーに「けん制球を投げませんでしたね」と非難気に言うと、村上氏は「あれはサインなんです」と言った。

どういうことかと言うと、遊撃手が二塁ベースに入れば、走者はけん制球がくると思って帰塁する。しかし、投手はけん制球を投げず打者に投げる。打者は面喰らいながら、バントのサインが出ている以上、バントをせざるを得ない。つまり二塁走者の三塁へのスタートが遅れ、さらに打者のバントが雑になる可能性がある。

このときは明らかなボールだったため打者はバントをしなかったが、村上氏は「投手はど真ん中に投げてバントをさせないといけません」と言う。偽装のベースカバーのためスタートが遅れた二塁走者を三塁で殺すためには、ど真ん中に投げてバントをさせないといけないと言うのである。新渡戸稲造が見たら、眉を吊り上げるようなサインプレーではないか。


高校野球でも当たり前のように見られる計略的なプレー
このプレーを見て2、3年前の夏の甲子園大会を思い出した。

一緒に見ていたスポーツライターが「関西の名門校がやっている」と断った上で、こんな話をしてくれたのだ。

「走者一、二塁の場面で二塁手が大声を出して二塁ベースに入るんです。二塁走者は慌てて帰塁しますが、逆に一塁走者はけん制球が二塁に投げられると思ってのんびりしているでしょ。そのわずかなスキを突いて、投手は素早い動きで一塁にけん制球を投げるんです」

この作戦は結果的に成功せず、さらに塁審にこっぴどく注意されたらしいが(高校生らしくないからだろう)、野球の本質が「常にペテンに掛けよう、計略に陥れよう、塁を盗もうと眼を四方八面に配り、神経を鋭くしてやる遊び」だと思っている人間には怒る理由も怒られる理由もない。


相手の心理を逆手に取る「ピックオフプレー」の妙味
こういうプレーはまだある。1死一、三塁の場面を迎えると、多くの野球ファンはダブルプレーを防ぐためにも、一塁走者は二塁に盗塁したほうがいいと思っている。実際、そうしているチームが多かった。

しかし、今はなかなか二盗に踏み切れない。なぜなら、捕手が二塁に投げるケースが増えているのだ。捕手のスローイングと同時に三塁走者はスタートを切って本塁を陥れる――これが4、5年前の常識だったが、今はそう簡単ではない。二塁手が前に出てきて捕手の球をカットするケースがあるからだ。

二塁ベースの1メートルくらい前でカットして本塁に投げれば、どんなに足が速い走者でも本塁前で殺すことができる。三塁走者がスタートを切らなければ二塁手はボールをカットせず(スルーして)ベースカバーに入った遊撃手に捕らせる。

実際、「捕手は二塁に投げない」と早合点した一塁走者が二盗を企図して殺されるシーンを何回か見た。これらを総称して「ピックオフプレー」と言う。私はこういう騙し合いが大好きだ。


“魔術師”と呼ばれた三原脩がめぐらせた敵を欺くテクニック
正々堂々としたプレーしか認められなかったら野球はこれほどの人気スポーツになっていなかっただろう。そういう中から“魔術師”とか“智将”と言われる三原脩(元西鉄監督など)のような監督も出現する。

ちなみに、左打者の打順で左投手をマウンドに上げる「ワンポイントリリーフ」を初めて実行したのは三原である。また、相手の先発投手が右腕か左腕かわからないとき、スターティングメンバーの野手のところに投手を起用し、相手投手が右腕だったら左打者、左腕だったら右打者に代える作戦を「アテ馬」と言い、三原が多用して有名になった。ともに騙しのテクニックである。


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