Numberより http://number.bunshun.jp/articles/-/148617
ナンバー本誌の取材で、巨人の内海哲也投手と話す機会があった。
内海はここ数年、“エース候補”と言われながら、年間を通して結果を残せないシーズンが続いていた。ところが今季は見違えるように安定した投球内容で、7月19日の中日戦でハーラートップに立つ10勝目をマーク。
取材のテーマの一つが、この変身の秘密は何なのか? ということだった。
詳細は本誌で読んで頂くとして、一つ、気になる話があった。
今までの内海は不振になったら、ただひたすら走ることしかなかったのだという。ところが、今年は別のトレーニングを取り入れ、安定した成績につながっている──それが今季の好調の理由なのだという。
投手には走り込み神話、というのがある。
それは400勝投手の金田正一さん(国鉄→巨人)から、右ひじ手術からの復帰に際して、ジャイアンツ球場の外野の芝生が禿げるほどに走り込んだ桑田真澄さん(巨人)まで、多くの名投手たちが信じた神話だった。
走り込んで下半身を鍛え、安定したフォームを作り出す。フォームが崩れ、白星から見放されたときに、投手たちはひたすら走る。それが最後の頼みの綱でもあるからだ。
実は内海もそうしてきたのだが、それだけではだめだったというわけだ。
下半身を鍛える走り込みは投手にとっての「貯金」だ!
それでは走り込みとは、投手にとってどういう練習なのだろうか?
「ただ、走り込めばいいってものじゃないかもしれないけど、走り込みはシーズンの貯金です。そして若いうちに走り込むことは、投手生命にとっての財産にもなるんですよ」
内海の所属する巨人の川口和久投手総合コーチは、現役時代を過ごした広島での体験談を含めてこう語っている。
「僕が入団したころの広島は球団にお金もなくて、室内練習場は猫の額のような狭さだった。若い選手なんか、練習する場所がないんですよ。雨が降ると、とにかく走らされた。雨でも走ることはできるからね」
だから梅雨は大嫌いだった。毎日、反吐が出るほど走り込まされたからだった。
「でも、それが9月になると生きてくるんです。キャンプで走り込んだ貯金は6月、7月まで。梅雨の時期にまたじっくり走り込んで、8月、9月を乗り越えられる。それを若いうちに繰り返すことで、ベテランになっても下半身の衰えが簡単にはこなくなる」
この川口理論から内海のケースを考えると──内海は若い頃から走り込んできた。そうして下半身を鍛え上げて、下地を作ってきた。その貯金の上に、今は違う練習方法を取り入れることで、より安定したフォームを手に入れることができた──こういうことになる。
復帰後の斎藤佑樹が証明した“走り込み神話”の霊験
走り込みとは投手にとって、それだけで十分な絶対練習ではない。ただ、ボールを投げる下地を作るため、長いシーズンを乗り切り、1年でも長くプレーするための必要練習だ、ということになるのかもしれない。ならば走り込み神話も、まだまだ崩壊したわけではないということになるのである。
そのことを確信したのは、日本ハム・斎藤佑樹投手の復帰マウンドを見たときだった。
斎藤は開幕から先発ローテーションに入って2勝したが、5月8日のソフトバンク戦の1回に左わき腹を痛めて戦列を離脱。その後、1カ月半余のリハビリとトレーニングを経て、6月29日に一軍復帰を果たしている。
復帰後は2連敗と結果は出なかったが、その投球を観て思ったことがある。
「真っ直ぐの力が増している」
テレビ観戦だったので、すぐに現場で取材している担当記者に確認すると、こんな声が返ってきた。
「確かにストレートは威力が増しています。スピードガンの表示も、故障前は140km前後だったのが、復帰後は平均して142~143kmにアップしています」
復帰後3度目の登板となった7月17日の西武戦では、5回を投げて4安打無失点で3勝目もマーク。このときは今季、初めてバッテリーを組んだ鶴岡慎也捕手がこんな証言をしている。
「(斎藤の復帰後の)ピッチングを見ていて、真っ直ぐに力があったので、もっと真っ直ぐを使えばいいと思っていた」
この1カ月半余りの間に、斎藤のストレートは確かに見違えるように威力を増しているわけだ。
下半身の不安定さは持ち前の器用さでカバーしていた
そして、その原因を探るヒントになる言葉がある。
「二軍で死ぬほど走らされました」
これは復帰に際して、斎藤が親しい知人に漏らした言葉だった。
実は斎藤の今年のキャンプを見て思っていたのが、ランニングの少なさだった。
斎藤の1年目のキャンプは、とにかく開幕一軍を目指すという大きな目標で動いた。だから練習は実戦重視。もちろん基礎トレーニングもやってはいたが、ウエートトレーニングなどに比べると、走り込みの量は1年目の選手としては少なく感じるものだった。
しかもこの右腕が器用であることも、走り込み不足に拍車をかけたかもしれない。
ボールの力ではなく、制球力と組み立てでそれなりのピッチングができる。ただ、あまりにボールが走ってこないことを危惧する声は、開幕直後からあちこちで聞こえていた。その下地を作るためには、やはり下半身の強化、絶対量のある走り込みが必要だったのかもしれない。
まさしくケガの功名で手に入れた「真っ直ぐへの自信」
そうして前述の本人の発言のように、二軍で徹底的に走り込んだことで変化が生まれた。
3勝目を挙げた西武戦、立ち上がりはピンチの連続だったが、1回にプロ入り後最速の145kmもマークしている。
「だんだん自分の真っ直ぐへの自信がついてきたと思います。強打者の西武打線だったので、どうかと思ったが、三振が取れてうれしかった。今度は9回をしっかり投げきりたい」
こう笑顔を見せた斎藤にとってみれば、ケガをしたことが、もう一度、基礎から自分のピッチングを組み立て直す、いい機会となったわけだ。
まさにケガの功名だった。
「真っ直ぐにこだわりたい」
プロ入り以来、斎藤が言い続けてきた投手としてのこだわり──だとすれば、ファームで徹底的に走り込んで、こだわれる真っ直ぐの下地を作ってのカムバック。この今こそが、プロとしての本当のスタートなのかもしれない。
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