ある改正案への個人的な感想 | 相続こころの整理術

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相続について知りたいけれど、落としどころの決まっている業者の説明会が苦手、士業への相談も敷居が高いという方に向けて、相続人に寄り添いながら、人生の問題として相続問題に向かい合います。終活で日々の暮らしを大切に、自分らしく生きることを目指します。

昨日の朝のヤフーニュースのトピックスで、配偶者の遺産相続拡大、介護の金銭請求などの民法改正試案のニュースが目に留まりました。


新案の詳細は分かりませんが、民法の改正法案の国会提出を目指し、意見公募をこれから実施する段階にある様です。


とりあえず報道された内容によると、配偶者の相続分を増やす見直しがされる様です。婚姻期間が長く、財産形成に貢献が大きいと考えられる場合、相続分を1/2から2/3へ引き上げるというもの。婚姻年数は、はっきり決まれば分かりやすいですが、後者の判断は、難しそうです。


また、遺産分割中も無償で自宅に住み続けられる権利を「短期住居権」、自宅の所有者が変わっても安価で住める権利を「長期住居権」として新設するとか・・。


長期住居権については、多方向からの見方が不足している気がするのは私だけでしょうか・・。かなり検討する余地があるのでは。


義父母の介護をした嫁が、自分の夫などに対して金銭の要求ができ、協議で決まらなければ、家庭裁判所が決めるというのも・・・これも難しい判断になりそうです。


一般的に、同じ家庭内ではお財布は一つの感覚であることが多いと思いますし、夫婦仲によって、色々な解釈がありそうです。


そして介護をした証明はどの様な基準になるのでしょうか。介護制度を利用しないで自宅で介護しているケースもあるので、ケアマネージャーなどが関わらないケースもあり、その証明の基準をもっと知りたいところです。今の「寄与分」(きよぶん)よりも、介護した人に手厚くなる方向なので、気になります。
        
あくまで私個人が出会った人ですが、大勢の前で「介護アピール」をする人がいました。しかし、子育てと介護のダブルケアとは思えないほど、周囲には人とのつき合いが派手なことで知られていました。自宅での介護ではなく、施設に入っているケースで、はたして面会にどのくらいの頻度で行っていたかは不明です。義理の親が介護状態にあるのは事実でも、その人は実質、介護などしてないのでは、と言われていましたが、はたして・・。


介護の程度や関わり方というのも、色々とあるのだと思います。イメージアップの飾りに使う人もいるので、しっかりとした基準を決めて欲しいところです。(本当に介護をしている人は、環境によって周囲の理解を期待できず、言い出せない人も多くいるのですが。)


また、法的に堂々とお金を請求できると決まれば、嫁同士が相続時のお世話代を巡って、親の抱え込みが激化する?、可能性も想像出来ます。嫁に相続財産のお金を請求されてなるものかと、相続人である娘が親を抱え込む?まで想像したら・・何だか恐ろしくなってきますね。何事にもプラス面・マイナス面、どちらもあるので、色々な方向からの意見があると良いのでしょう。


いずれにしても、今回報道された情報を見る限りでは、現在よりも判断が難しい項目が増え、相続のしくみがより複雑になっていくのは間違いなさそうです。


今日はあくまで、きちんと決まっていない段階でチラッと見た情報に対し、疑問や思いつきの感想を出していますので、さらっと読み流して下されば幸いです。


これに関し、ぜひパブリックコメントを伝えたいと思う人は、7月(今は6月、要注意!)になってからですが、こちらで実施日・方法を確認の上、意見を法務省に届けることが出来ます。