普段、我々は指導する上で、あらゆることを考えます。
短い時間の中で、技術や身体能力を向上させること、楽しく頭を使ったメニューの作成、メンタル面のケアなど、多岐に渡ります。
中でも、特に重要視していることは、「励ますこと」です。
人は、放っておくと、ネガティブな思考に陥ってしまう生き物です。
周囲の意見や行動に萎縮したりして、なかなか自分に自信が持てないことも、多いのではないかと思います。
「幸福論」を書いたアランは以下の言葉を残しています。
「悲観主義は気分によるもので、楽観主義は意志によるものだ」と。
つまり、気分に流されていると、いつの間にか、悲しみに捉われてしまうということです。
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その中で、自信を持ってプレーをする手助けを、我々が行うべきなのではないかと考えています。
誰にでも、プレーをする権利や成長する権利、そして何より楽しむ権利があります。
そんな当然の権利を堅守すべく手段として、「励ます」という行為が重要になってくると思っています。
私は学生の頃、外国人が多く在籍しているチームでプレーしており、またそのチームはジャパンタイムズリーグというほぼ外国人チームのリーグに属していました。
また、ブラジルやスペイン、イタリア、ポルトガル等に、フットボールの勉強の為、何度も訪れました。
その為、欧米人の文化に触れる機会が少なからずありました。
そこで感じた特徴の一つが、欧米人は自己肯定感が高いということでした。
実際、彼らは「下手でも堂々としている」ことが多く、人はミスを犯す生き物であるという当たり前のことを、十二分に理解している様に見えました。
逆に日本の特徴はというと…自分と同等のレベルや自分より低いレベルだと能力を発揮しやすいのですが、自分より能力が高い人やグループを相手にすると、途端に萎縮したり、能力を発揮できなくなる傾向にあります。
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もちろんそれらは、その国の国民性や生まれつきの性質も影響していると思います。
ただ、それと同時に、教育を受ける中で培ってきたものの方が大きく影響していると感じています。
実際、欧米での指導で、日本の少年サッカーにおいてありがちな、子供に怒鳴ってばかりの指導者を見たことはなく、自信を持たせる様な指導が主流でした(厳しさはあるので、一言で説明をするのは難しいのですが…)。
それは人生においても同様で、誰にでもミスをする権利があり、楽しむ権利があるのです。
フットボールでは1分間プレーするだけでも沢山のミスが発生しますが、その度に、それは当然のことであり、成長する為には必要な過程であるということを理解させる必要があるのです。
つまり、幼少期の頃に、フットサルなどのチームスポーツでミスを犯し、そこで感じる痛みや苦しみは、人生を生きていく上での予防接種を受けている様なものなのです。
社会生活においても、協調性を持ちながらも、自分の能力を思う存分発揮できる様な人間に育っていってほしいと心から願っています。
特にそういった部分の手助けをできる様、これからも指導していきたいと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします!