前回は、「スポーツは元々が遊びなので誰にでもプレーする権利がある」というお話をさせて頂きました。
今回はその延長とも言える内容で、お互いをリスペクトし合い、協力し合うことの大切さについて話を進めていきたいと思います。
 
プロアマ問わず、どこのチームに行っても、少なからずヒエラルキーの様なものが存在します。
基本的に、技術が高い選手が強い立場にあり、あらゆる発言が行使されることが多いです。
 
特に日本人は、自分と同等か自分よりレベルが低い選手を相手にすると、能力を発揮しやすく、また発言も強いものになる傾向があります。
逆に、自分より高いレベルの環境にいくと、本来の実力を発揮できなくなり、また発言も控えめなものになります。
その為、必然的に、実力が平均以下の選手は肩身が狭い思いをする傾向にあります。
 
 
ということで、我々コーチ陣は平均以下のレベルの選手に居場所を作ると同時に、技術的に高いレベルにある選手には、相手をリスペクトする姿勢を持つ様に伝えます。
そうしないと、以下の様な弊害が出てきてしまうからです。
 
①周囲のせいにばかりしていると、自分のミスに気づかなくなってしまう
自分に改善点があるのに、他人の責任にすれば、自らの改善点に気づかずに日々を過ごすことになるので、それも当然ですね。
他人のせいにしていれば、気持ち的には楽かもしれませんが、成長が妨げられてしまうという弊害を忘れる訳にはいきません。
 
②チームがひとつになれなくなる
周囲の選手も人間なので、文句ばかり言われていたら、その選手は必要な時に必要なパスをくれなくなってしまうこともあります。
もちろんそうなれば、自らの活躍はおろか、チームの勝利からも遠のくことになります。
まさに、「百害あって一利なし」という状況に陥ってしまうのです。
 
③自分本位な人間として育ってしまう
人として最も大切なことの一つとして、相手の痛みを知る想像力というものがあります。
以前、作家の大江健三郎氏は、「こういった想像力の欠如が、いじめを生むキッカケになっている」とも語っていました。
選手である前に、一人の人間として成長していってほしいと切に願っています。
 
 
もちろん発言すべきシチュエーションもあります。発言自体が一概に悪いと言っているのではありません。
つまり、闇雲に何でもかんでも言うのではなく、一度脳のフィルターを通し、何を、どの様に伝えるかを考えること。それに尽きると思っています。
 
フットサル(チームスポーツ)を行うことは、人間関係の構築やコミュニケーション能力を高めるキッカケになるのです。
我々も、そういった部分を最大限サポートし、人間的な成長を促していきたいと思っています。
 
それではまた!