前2回は、フットサルがサッカーにどう活きるかという部分に焦点を当ててきましたが。
今回はもう少し根源的な部分、フットサル(もしくはチームスポーツ)が人生にどう活きるか、という部分をテーマに話をしていきたい思います。
生きていく上で、必ずしも、スポーツをやらなくてはいけないかというと、そうではありません。
学校でも体育の授業はありますが、それらが社会に出てから、「直接的に」役立つことは実際のところ多くはありません。
もちろんプロ選手になるのであれば、とても役立ちますが、実際にプロになれる選手はほんのひと握りです。
ではプロにならない人たちには意味がないのか、というと全くそんなことはないと思います。
作家アルベール・カミュは「人生で大事なことは全てサッカーから学んだ」と話していましたが、その意見には私も強く同意します。
まず、チームスポーツをすることで、最初に学ぶことができるのは協調性です。
チームスポーツをやる上では、練習や試合のルールをしっかり聞き理解しなければ、練習も試合も機能せず周囲に多大な迷惑がかかります。
また、好きなプレーだけして、嫌いなプレーは他の選手に任せていても、やはり同様です。
チームの為に行動しなければいけないことは多いので、協調性や犠牲心は自然と育まれていくものです。
もっと言うと、協調性を持つだけでもチームスポーツで結果を出していくことは難しく、それぞれがそれぞれの特技を最大限に発揮する必要もあります。
例えば、シュートが得意な選手が、仲間のことを考え過ぎて、シュートが打てる場面でもパスばかり選択していたら、それはチームにとって大きな損失になります。
つまり、協調性を大切にする中で、自らの個性を発揮するという、社会で生きていく上で最も大切なことを学ぶことができるのです。
なので、我々はプレーのミスに対して注意することはあまりしませんが、守備をサボったり、切替が遅かったりした場合には注意をします。
それらは技術的な部分とは関係なく、意識で解決できる問題なので厳しく言う時もあります。
逆に、ミスを怖がって積極的なプレーができていない場合は、なるべく励まし、自信を持ってプレーできる様にサポートすることを心がけています。
もう少し掘り下げると。個性と呼べる程の武器がなかったとしても、自分のできることを探し、最大限に発揮していけば、十分にチームに貢献することができます。
私も、それほど技術が高い選手ではなかったので、沢山走ったり、身体を張ったり、ピッチ内外で献身的な行動を起こしたり…といったことを心がけてきました。
フットサルでは、技術面以外でチームに貢献できることが沢山あり、またそういった姿勢は、直接的なサポートだけでなく、チームにポジティブな空気をもたらすことになります。
「いつも機嫌よく生きて行くコツは、人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。そのことで自分という存在の意味が実感され、これが純粋な喜びになる」
これは、哲学者フリードニヒ・ニーチェの言葉です。
誰もが誰かの役に立ちたいと思うものです。
そういうことを実践的に、肌で感じながら成長していくことが非常に大切なことの様に思います。
ということで、幼少期にチームスポーツを行うということは、非常に意味のあることだと感じています。
引き続き、我々もその手助けをしていきたいと思います。
それではまた!