ICBM | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

1992年9月21日、Alfa Recordsのレーベル“Edge Records”からリリースされたオムニバス盤『ALTERNATIVE ELECTRICS -FUTURHYTHM 1992-

このレーベルの看板アーティストであったSoft Balletとその周辺アーティストたち全5組を2曲ずつ収録した顔見せ盤といった趣でしたが、実際のところ今作のリリースの時点でSoft BalletはVictorへ移籍済で(翌月には移籍後初の作品となる『Million Mirrors』がリリース)、結局他アーティストもその後Edgeからのリリースはなく(ってか正確に言えば他4組はここでの音源しか世に残していない)、結局このオムニバス盤は何だったのだろうか?は永遠の謎ともなりそうである。


さて、それは兎も角今作のカッコ良さはリリースから34年を経ても全く朽ちてはいない。


しかしSoft Ballet以外のアーティストの情報が無さ過ぎなのはどうしたものか…?でもある。

※UD-ZEROを実質Urabn Danceの延長戦と捉えれば情報は沢山ありますが、このユニット自体についてはほぼ皆無


特にSoft Ballet以外で一等好みなICBMについてはここ15年以上色々調べたり考察したりしてたものの限界あるんだよなぁ〜

このアルバムを買ったのが調べると2009年。mixiやってた頃にblogを書いて、そしてTwitter(X)始めた2011年辺りからICBMについてpostしまくってたね。

ここでアルバムに掲載されたプロフィール欄を抜粋しよう。


【ICBM】

1991年より活動開始

メンバー

・Takaaki Taguchi

MMM参加時より全公演のコスチューム・デザインを担当。解散後はSoft BalletやP-Model等の衣装を担当。

・Jiro Ohashi

MMM在籍時脚本/俳優/映像制作を担当。解散後は雑誌ライターやコンピューター雑誌編集として活動。


情報はこれだけである。あとは楽曲のクレジットだけ。


まずMMMって何ぞや?じゃないですか。

MMMとは伝説的な劇団の東京グランギニョル(1983-1986年)のメンバーが次に立ち上げたアート集団。正確にはM.M.M.だ。

どちらも中心人物は飴屋法水氏。

東京グランギニョルとしては…

『マーキュロ』(1984-1985年)

『ガラチア/帝都物語』(1985年)

※勿論荒俣宏氏の小説が原作で、ここで加藤保憲を演じた嶋田久作氏は映画版(1988年)でも起用された

『ライチ光クラブ』(1985-1986年)

※20年後に古屋兎丸氏により漫画化され、さらにアニメ化/舞台化/映画化と拡がった

『ワルプルギス』(1986年)

の4作品の公演を、

M.M.M.としては…

『SKIN#1 DEPART・ MIX』(1988年)

『SKIN#2 バッファロー・ MIX』(1989年)

『SKIN#3 246・ MIX』(1989年)

『SKIN#4 POW WOW DUB』(1989年)

の4作品の公演に加えて、

ビデオ『SKIN#5 VIDEO  MIX』(1990年)

書籍『SKIN#6 SKIN PAPERBACK』(1991年)

も作られた。

あと補足するなら東京グランギニョルとM.M.M.のミッシングリンク的公演として、

AMEYA+MIKAMIプロジェクト『バリカーデ』(1987年)

なんてのもあります。


まぁ、東京グランギニョルもM.M.M.もそのカルトな人気の割には情報が探りにくい集団なんですよね…

上記のSKINのビデオや書籍は当然のようにプレミア物。

かなり情報が詰まってるムック本『2-:+ #01/Ameya! style』(2001年/ステュディオ・パラポリカ刊)ですら今や入手困難である。

さて、ここで調べると、Takaaki Taguchi(田口貴朗)氏は東京グランギニョルの最終公演『ワルプルギス』(1986年)から役者として参加。『バリカーデ』(1987年)では役者に加えて衣装も担当。『SKIN』の全シリーズでは衣装のみを担当。

そしてJiro Ohashi(大橋二郎)氏は『ガラチア/帝都物語』(1985年)から役者として参加(その後は全ての作品に出演)。『ライチ光クラブ』(1985-1986年)では演出助手としてもクレジット。『SKIN』シリーズでは#1で脚本/#2-#4では作劇やスライド制作も担当。


そしてM.M.M.解散後にICBMの結成となる訳ですね。


そもそも東京グランギニョルやM.M.M.の舞台ではインダストリアル/ノイズ系の音楽が使われてたそうだし、M.M.M.の舞台美術や衣装はもろサイバーパンクだし、ICBM結成の流れは割と自然なものだったんでしょう。


ICBMの提供曲2曲のクレジットは…

①「Science Fiction」

作曲/編曲:ICBM

Computer Manipulate:Takaaki Taguchi

Voice:Jiro Ohashi

Manipulated & Produced:M.R.I

②「War Fever」

作曲/編曲:ICBM

Computer Manipulate:Takaaki Taguchi/Jiro Ohashi

Guitar:Satoru Mochizuki


まぁ、こう記してもやはり情報は少ない。

自分等で作/編曲からプログラミングまでしてはったんやなぁ〜ぐらいである。

あと望月氏のギターが不穏でよろしいなと(この方も謎の人物)。

あと気になるのが①のマニピュレート&プロデュースのM.R.Iか。


ここで本題(?)

私の2021年のTwitter(X)でのpostである。

これ、肝心の曲名を間違えてて正確には「Science Fiction」の方である。

該当のYouTubeのリンクを貼ろう。

27分辺りからが藤井麻輝氏のインタヴューである。

レコード会社移籍のタイミング(1992年)でデビュー以来初の長期のオフがありそこで自身のスタジオを作ったそうで、ここでは制作をしながらのインタヴューとなっている。

そして動画のスタジオ内で鳴っている曲がICBMの「Science Fiction」でほぼ間違いないのだ!


さらにこちらが『ロッキング・オン』1992年6月号での藤井氏のインタヴューの一部。

こちらもオフ中でのインタヴュー。

Soft Ballet以外のレコーディング…当時はこれ読んで『Dance 2 Noise 001』のSchaftとかかな?と思ってたけど、考えたらあちらは1991年10月のリリースなので録音時期考えたら1年ぐらい前の話であろう。

こちらは2021年5月にNavの公式SNSが発信した情報ですが、『Dance 2 Noise 003』(1992年8月26日リリース)に収録のNav Katze「無邪気な絆(Featuring Maki's Noise)」がその中の1曲だったんですよね。でも名義は“だて まき”なんだもん!気づかないよ!とはいえBau Akustik P4 Laboってのはいかにもフジマキっぽいよね。

ICBMに関してはこれまでどこでも明言されてませんがM.R.I=藤井麻輝氏で間違いないであろう。

※だて まき名義は彼流の天邪鬼さな感じありますが、このM.R.Iに関してはレコード会社移籍の関係で契約上名前を出せなかったなんてのもあったのかも?


ちなみに『ALTERNATIVE ELECTRICS』自体のクレジットを見ると、

Produced by Kyoji Kato(Except M-5)

Mixed by Nick James and Phil Harding(M-1,9)/ Yuji Sugiyama(M-5)

M-5が「Science Fiction」なので、 MIXはSoft BalletやNav Katzeでお馴染みの杉山勇司氏なんですよね。

ここまでくると疑う余地なしって感じ。




まぁ、情報少ないなりに色々と考察してみました。




最後にその後のICBMの御二方は…

前述したようにICBMとしてはこの2曲しか世に残していません。

ライヴ活動とかしてたのかなー?


Takaaki Taguchi(田口貴朗)氏の情報は全然見つからない…


Jiro Ohashi(大橋二郎)氏は編集した『SAL Magazine』(2001年〜)が高く評価された他、2010年にはタイのチェンマイに移住して2016年にスキンケア/日常品のブランド“eavam”を設立されています。