主に1970年代の日本のウーマンリブ運動と、そこに生きた女性達、そして逆照射される今を追ったドキュメンタリー。
勿論当時日本でもウーマンリブがあった事は知ってましたが、ここで追われたその実態、何故このタイミングだったのか?参加されてた方々はどんな人々で、それはどう繋がっていたのか?
そして、現在は?
と、ホント知らなかった。
元々は2013年で50周年を迎えた投稿誌『わいふ』のイベント用に作られた歴代編集長へのインタヴュー映像作品に松井監督が関わった事から始まったそうです。
松井監督自身もここで追われる、ウーマンリブのど真ん中にいた女性達と同世代ながら、当時は距離を感じていたそうです、その距離感が今作での適切な客観性に繋がってて、私なんかにも非常に解り易い作り。
例えば未だ語られる70年代の事件の数々との密接な連なりとか、あと当事者のポロリと漏れてしまう本音の言葉とか、凄く身近な・地続きな問題として迫るものがあった。
今作に登場する数々の人物、運動やグループの名前、全く初耳ばかりで、“わいふ”や“思想集団エス・イー・エックス”“東京こむうぬ”etc.その活動の与えたインパクトや、社会との関連性を思えば不思議なぐらいに。
例えば、同時期の関係性も強い学生運動なんかに比べれば、現在語られる事も描かれる事も稀で、自発的にならねば知る事すらないなと。
かと言って問題が解決したのか?否、見え難くなっているだけで、よりたちが悪い状況もある。
インタヴューを受ける方々の言葉が、全く以って今現在も研ぎ澄まされた刃の様で、身が律せられる。
そして、油断してたらザックリと切られるのだ。
印象的だったのが、活動初期に行われた合宿での、最初の自己紹介が中々終わらなかったってところ。
やっと、思いの丈を吐き出せる場所を見つけられた喜びで言葉が溢れ止まらなかったのだ。
学生運動への違和も興味深かったな。
闘争の場では同志として受け入れられても、プライベートでは綺麗にお化粧して着飾った女の子を選ぶ。
その辺の視点、男の側からは言われないとピンと来ない気がする。
他にもザクっ・ザクっと、男側からは“当たり前”なこの構造のカラクリを見せつけられる言葉の数々が痛い。
勿論今作はその糾弾を目的とした作品では決してないけれど。
しかし、集められた様々な資料や映像の保存状態の良さにも驚くな。
当時から、その活動の重要性を強く自覚していたんだろうなって証明でもある気がする。
そして、インタヴューを受けた方々。
老いを受け入れつつも、未だ背筋と言葉と眼差しに、あの当時と地続きな想いが燃えている。
まだ、終わっていない。

