東京物語 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

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2015年10月 @ KAVC

月を跨いでの3日目は『東京物語』を。
問答無用の小津安二郎監督の代表作にして、20世紀の世界の映画史にも燦然と輝く名作である。なんて冠が邪魔な程に、実際にスクリーンで対峙すると今作に込められた密度と熱量に唸る。


これで、スクリーンでは二度目でしたが、パブリック・イメージと実像との温度差なんてのを、対峙する度に思うのだ。
“古き良き”だとか“穏やかな”だとかは、観る度崩れる。

世界的なオールタイムでの映画ランキングで未だ上位に食い込む、いやTOPを飾る事さえあるのは、新たなる世代から“今の”映画として発見され続けているからだと思うのだ。
名画として有り難がってる場合じゃない。

今回の“蘇るフィルムたち”の企画は素晴らしい(時に執念すら感じさせる程の)修復に愛が満ち充ちてましたが、映画は蘇生されたのでなく、未だ活きている、そして活き続ける事を証明したとも言える。

にしても、本作、観る度、自分の年齢や社会の情勢の変化も込みで、囚われるところ、また意味合いが変容するよね。
その辺りも含めて詰め込まれた情報量多いなぁーと。
ラストの義理の姉妹のやり取りなんて、見える角度が明らかに昔と違うなと感じた。
東京で冷たく感じた長男・長女の態度だって、今なら随分理解出来る気がしたし。
あと、原節子の部屋へ老夫婦を迎えてのやり取りはホント好きだな。お隣さんがまた好い。赤ちゃん、どこ入れてんね(笑)!