ぼくらの七日間戦争 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

名画リレー夏休み特別編『ぼくらの七日間戦争』
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2015年7月 @ 京都シネマ


戦車や打ち上げ花火迄飛び出す80年代邦画の無法地帯なれど、少年・少女の眩い抵抗の躍動がそれをリアルに落とし込む。
危うさより無邪気さが勝る、中二前の最期の一年の煌めく夏!


『ぼくらの七日間戦争』

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今作が公開されたのが1988年の夏。
主人公達の設定は中学1年生。
翌年に中学に入学したぼくなんかはほぼど真ん中の世代。
当然思い入れ強い作品でした。

後に社会的な問題にもなった朝の校門での危険な一幕や、集会中の予告なしな私物検査等々、実際にぼくの通ってた中学でもまんま同じ光景あった。
色々思い出したよ。 


勿論、今作はそんな社会問題を告発する類のハードな映画ではなく、80年代の角川映画の一本なんで、当然ながらにエンタメ度高し。わやくちゃな迄に。


原作はぼくら世代には忘れられないベストセラー作家の宗田理さん。
同名の原作を一作目とした“ぼくらの~”シリーズは様々な形で世代を直撃した。

※個人的には一切読んで来なかったんだけど… 

リアルタイムで、周りの同級生達の“ぼくらの~”シリーズの読書率高かったんですけど(初めて読んだ小説度も高かった気がする)、読んでなかったもので、勝手な宗田理像を作り上げてましたね。 

このタイミングで興味持って宗田理さんの事を調べてみたら、思い描いてた人と180度違った。
そもそも、一作目を出版した1985年の時点で57歳だったんだね。
そして、そのキャリアもユニークだ。 

映画を観終わった後、数年前に古本屋で手にしつつも頁を開いていなかった原作を1/3程読み進めたのですが、成る程、宗田さんのキャリアからの流れが映画ではごっそり削られてるね。

でも、その英断があったからこその今作の豪快な軽やかさが強みな訳です。 


矢張り今作を語る際外せないのは、11人の主人公達だ!
一般的には宮沢りえの主演と認知されているだろうけど(因みにエンドロールのトップは菊池健一郎)、実際は11人それぞれのキャラが際立つ作り。 

それぞれのキャラを掬い取り、巧みに配し、活かす。

子供たちも演り甲斐あったろうなぁ。
あっ、エレーナもいるな。12人か。 


リーダー格演じる菊池健一郎はこの時点で16歳。

本作の後アイドル的人気を得て、歌手活動なんかもやってましたっけ。 
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宮沢りえは15歳。

前年に例のCMで注目され、この後おかげですに出たり、翌年今作で知り合った小室哲哉の楽曲でCDデビューしたり…と、一気にスターダム!
意外に出番少ないけど、流石のオーラある。 


個人的にはチームの頭脳とも言えるメガネくん演じた大沢健さんに目が行った。この時点で14歳。まだまだ華奢な身体でしたが、隠し切れない美貌が覘く。
『ファンシィダンス』や『電影少女』にも出てた。

 

教師陣も皆灰汁強いキャストで。
大地康雄さんや佐野史郎さんの不気味さ、倉田保昭さんのガチ具合とか…
教頭笹野さんなの忘れてた。 


で、矢張り語らねばならないのがTM NETWORKと小室哲哉。

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個人的には映画と音楽/歌の関係性を初めて強く意識した作品だったかも?
大抜擢だと思うんだけど、それに見事応えた熱量に撃たれる。 

改めて聴いても「SEVEN DAYS WAR」と「GIRLFRIEND」は名曲。
そして、この世代と彼らの音を結び付けた決定打でもあった。

※そこが後々活動を鈍らせた要因だと思うのですが。

 

映画自体は、校内問題であったり、バブル期ならではの家庭内問題であったり、と言った背景で弓をぐっと引いておいてから、放たれる彼・彼女らの煌めく躍動に撃たれる、この時代を象徴する傑作。 

これが、もう一年経ての14歳って設定では成立しなかったと思うんだよね。
青春の危うさが勝ってしまう。 


監督の菅原浩志さんは、UCLAで学んでもいたんだね。
海辺や屋上での眩い画作り。
工場内迷宮や地下水道を駆け巡るスリリングさ。
改めて回顧したい才能。