ジュピター | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

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2015年3月 @ 加古川イオン・シネマ

これは“こき下ろしコンテスト”なのか?ってぐらいに手を変え・品を変えの酷評が並ぶウォシャウスキー姉弟の最新作。
なれど、そんなに悪いかなぁー?
結構楽しめたし、元々こんなもんでしょ。な気も。

 

私らの世代にとって、矢張り『マトリックス』は特別な思い入れある一本で、あの革命に(劇場で観るって形で)参加したってのは凄く大きな糧なのですが、それだけに幻想は未だ尾を引く。か? 

『マトリックス』を支えたあの哲学は、それ一作で以ってウォシャウスキー姉弟を神格化するに値する強度だった気がしてたんですが、続編でうん?続々編であぁ…と崩れてしまってたので、今更そこを期待もしませんしね…な、『ジュピター』でした。


結局やってる事はいつものウォシャウスキー姉弟で、抑圧される人々から生まれる救世主と、それが導く反乱って構図は、ここでは嘗てない程にストレートに描かれる。ものの、カタルシス薄いのは、二人がもう満たされてしまったから?

そもそも、この二人に自由に作れる環境与えちゃうとこんな事になるのは分かってた訳で(笑)、ある意味その期待に応え過ぎた一本であろう。 


前作『クラウド アトラスがバランス良かったのは、矢張り実質的監督はティクヴァだったからだろう。し、ティクヴァにしてはまぁまぁな位置に落ち着いていたのは、姉弟が口を出し過ぎたから?


今時此処迄のシンデレラ・ストーリーを臆面もなく展開出来る強さは肯定したいし、そこで暴走させずに見せたい映像を作り込む!な、姉/弟の歪ながらも崩し様のないバランス感覚は評価したい。 


あの空宙を活かしたアクションは中々楽しかった。

透明の壁の此方と彼方。
重力から解放された足取り。
あの盾を具体的なヴィジュアルとして見せてくれたのもツボ。


陛下と傅く犬の構図は失笑スレスレなんだけど、ここ迄徹底して繰り返されると認めざるを得ないと言うか。いや、きっとウォシャウスキー姉ちゃん、これやりたかったんだろうな、とニマニマ。

でもさ、やっぱ粗い。
あそこ迄の技術持ちながらも、文化レベルが余りに旧態依然としてるその齟齬だとか。
木星の環境も上っ面だけ描いてるので、展開の全体像が見え難い。
そもそも行き当たりバッタリなネタやキャラが多過ぎ! 


しっかし、ペ・ドゥナが出てるなんて聞いてないぞー!だ。

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余りの不意打ちでときめいた。

結局今作で以ってウォシャウスキー姉弟への幻想は粉々に砕け散った感じはあるよね。
変な期待値無くなる分、今後が楽な気も。
もっと小規模な作品を手掛けるか、プロデュース的スタンスに回るか。そんな方が向いてるんじゃ?