予告で感じたコメディー色は薄く、かと言って通常連想される程には重た過ぎず、こんな塩梅でこのテーマを撮れてしまうのを羨ましいと言うのもどうかなんだけど、矢張りこの国の映画への覚悟の違いは感じるな。
劇中『プンサンケ』観てたのツボ。
今作を経由して、ギドク監督作品に戻ると、ますますギドクの特異なユーモアが浮き彫りになる気がする。
『メビウス』なんてその最たるものなんだけど、彼の螺子くれ過ぎた語り口がそこを見え難くしている気がする。
今回、ギドクは監督こそしていないものの、原案・脚本・編集・製作迄こなしている訳で、思い入れは強い筈だ。
じゃあ、何故撮らなかったのか?なんだよなぁー
矢張り監督としてのギドク的には余りにストレート過ぎる題材なのだろうか?
本音が出過ぎ?
まぁ、何にせよ、何処か自家中毒気味でもある近作を思えば、こんな作品から漏れるガスを分析したくもなるのだ。
予告観た限りでは割りにありきたりに思えた設定なれど、中盤から後半に掛けて思いの外に心揺り動かされる。
特に誕生日のエピソードは白眉で、国家と人間、その分断された人生の軋みから溢れ出る怒りと哀しみは想像を絶する。
後半のね、あんなに嫌悪していた隣の家族を模倣する姿なんてね…辛過ぎるだろ!
そしてラスト、あれをどう捉えるか?で、随分と印象変わるな。


