薄氷の殺人 | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

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2015年2月 @ 元町映画館


こりゃ、一筋縄では行かぬ傑作だわ。
相当にしたたかな作り方してる気がする。
ジャンル映画のフォルム、グイ・ルンメイの妖艶を配し、スポンサー陣や観客を巧みにミスリードしつつ、存分にその美意識に堕とし込む。


まだまだ、その核心は氷の中で自分の中に溶け込んで行ってないけど、ふと頭過ったのはロウ・イエの『パープル・バタフライ』。

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ジャンル映画のフォルムを拝借しつつも、あそこ迄自分の美意識を貫けるか?の、破綻スレスレのスリル! 

あのエンディングの下世話なポップスにギョッとなる訳ですが、あれなんて監督のしたたかさの発露な気がしてならない。 

あの曲を使う事で可能になったもの、数多あったのでは?


原題は“白日焰火(白昼の花火)”、成る程。
“闇の中でこそ、囚われる色”であったか。 


兎に角相当に厄介だ。
サスペンスのフォルムが溶けて表出するミステリアスなロマンスも軈て…
ディアオ・イーナン監督、したたかなる才能。 

そのキャリアは1997年の『スパイシー・ラブスープ』での脚本担当に迄遡れるのか。1999年の『こころの湯』も彼の脚本。

その後『制服』(2003年)『夜行列車』(2007年)を監督している。 


その照明や色彩の設計も壮絶なんですが、何より音響の色気に酔うのです。

雪の肌触り、観覧車の軋み。
元映の密室感との相乗はエロい。


面白いのが、あの1999-2004年と言う時間の経過で、その5年間の繕いが、一気に解れてしまう瞬間の捉え方。

例えば白日焰火の女主人がバスタブに落ちる描写であったり、あの部屋の新たなる住人の放心した表情であったり…