悪夢探偵2 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

2009年7月、mixiでのレヴューを転載。

『悪夢探偵2』
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あー厭だ、厭だ、厭だ・・・ 

塚本監督が思いがけず(特に海外で)好評を得てしまった前作、
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から間髪入れずに続編を。 

松田龍平の独創的(過ぎ!)なのに何とも板に付いたキャラクター造形と、hitomiの好演、安藤政信の相変らずの存在感、そして監督本人の怪演。 
前作は濃厚なキャスト陣が抜群に不快な設定を楽しみ(?)捲くり、そのエンターティメントとは程遠い世界観がエンターティメントしてしまう奇跡的な作品でありました。 

塚本監督と言えば『鉄男』『東京フィスト』『BULLET BALLET』等で都市生活者の肉体感覚の喪失を、誰も思いつかない方法でフィルムに焼き付けてきた稀有な存在。 
破壊的な映像・音響とパワフルな演出がやがて静寂すら感じさせる境地へと辿り着く。 
そんな彼の才気はやがて『六月の蛇』や『ヴィタール』なんて恐るべき傑作へと繋がった。 

しかし、彼のアーティストとしての強度とエンターティーナーとしてのサービス精神はどこか歪なバランスを持っていたのも事実。 
『ヒルコ』や『双生児』にどこか物足りなさや居心地の悪さを感じたのはそんな辺りに要因があったのでは? 

まぁ、しかしこのシリーズにはそんな心配はご無用。 
前作~今作と気持ち良いぐらいに不快だ(笑)。しかし後味は悪くない。彼の作家性が見事な映画的醍醐味へと消化されています。 

で、今回。人の悪夢に入れるその能力を、本人の思惑とは関係無しに頼られてしまう基本設定はそのまま。 
しかし、今回は照準が定まった処からスタートしてるので物語が非常にシャープ。キャスト陣も地味目なので入り込み易いですしね。 
そして怖い!今までも彼の監督作では一番怖いんじゃないかな? 
で、哀しい。依頼者が恐れる少女の哀しみと探偵の母親の哀しみがシンクロした物語は強い愛の想いに縛られ不覚にも涙腺を緩ますのだ。 

さて、続くであろう3作目、
そして来るべき『鉄男』の3作目が楽しみだ!