いずれ観るしかない。今観ろ! | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2010年4月のmixiのBlogを転載。

今の邦画界を語る際、決して逃れる事の出来ない才能が園子温だろう。

2009年、一般層さえ巻き込む大きな話題を生んだ怪作『愛のむきだし』と、オールモストに楽しめる『ちゃんと伝える』、
{976E9D47-985E-44DC-A3D5-24430104C162:01}
{16E1DE73-BC52-48E7-8A10-8642C1278DA2:01}
なんて両極な作品を発表したのも記憶に新しい。

私が初めて彼を知ったのはやっぱ『自殺サークル』だっただろうか?
{DBD8B4DB-0A8A-4852-9F56-6B6CCF000709:01}
その衝撃的なオープニングと、先の読めない展開、未曾有の境地へと辿り着く終盤…と、(当時の)流行のJホラーを期待した私達を自身の深部へと引き摺り込んだ奇妙な体験でありました。

その後、ブレイク前の『うつしみ』の噎せ返る様な熱気に撃たれすっかりこの才能に惚れ込んだのです。
{5A7F23B2-7DAF-4627-A25D-4A2874D3D7AC:01}

彼の綴る映像世界は時に残酷なまでに生々しい現実の息吹を映し出し、そこに横たわる私達の剥き出しな想いは、文学がいつしか語り損ねてしまっている“言葉”を生け捕りにしている。

何せ元々が詩人ですから。
例えば、残念な事に私達の世代は寺山に間に合わなかった。
だからどうしたと言うのだ。
私達には園子温がいるじゃないか!こんなに喜ばしい事は無い。

兎に角度肝を抜かれたのが『奇妙なサーカス』でした。
{27C7B671-4AB4-4F23-82BF-0B590B53557B:01}
宮崎ますみの体当たりの演技も話題になりましたが、何よりびびったのが壱成だったな。元々巧い役者だとは思ってたけど、ここでの彼は神掛っている。
あと高橋真唯には萌えますしね。
途轍もなく心身共に揺さ振られ捲くりグッタリと疲労する(しかし消耗はしない)作品ですが、これを観ずに子温は語れない。

なんて思ってたのも束の間に、奥の奥までザックリと突き刺され身動き取れなくされてしまったのが…
『紀子の食卓』だ。
{E3C40EEE-6D94-4DB9-9EC2-1DD86E40786F:01}
一応『自殺サークル』の続編なんですが、そんなの彼方へと忘れ去せる衝撃を超えた、これは最早事件だろう。
こんなに語る事を無意味にさせてしまう映画体験も稀で、ある種映画的な文法やムードからどこまでも遠い地へと辿り着いているのに、誰よりも映画の真理へと迫った作品でもあったり。
『空中庭園』?『トウキョウソナタ』?そんなの忘れちまえ!…いや、どちらも素晴らしい作品でしたが、今作の前では残念ながら霞むのだ。
まぁ、観ちゃいましょう。
何より吉高由里子恐るべしだ。

この辺にコテンパンにされた身としては『愛のむきだし』程度ではちと可愛く感じてしまうのだ(いや、一般レベルで考えたら凄まじいけどさ)。