惑星、沈黙、審問。 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

ロシア・ソヴィエト映画 
2013年11月 @ 神戸映画資料館

ロシア・ソヴィエトSF映画の三本立て @ 映画資料館。
全くその存在すら知らなかった作品ばかりなれど、それぞれがそれぞれのベクトルで非常に振り切ってて面白かったなぁ~
まだまだこんなにもワクワク出来るものなのか!


ロシア・ソヴィエトSF映画と一括りなれど、製作年度も違えば、当然その成立の背景も違う。
作風は見事に三者三様

タルコフスキーやソクーロフ、キンザザにアブドラジャン。だけじゃない! 

『火を噴く惑星』は1961年に撮られたスペースアドヴェンチャーSF。

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まだまだ未知なる宇宙へのロマンで胸はち切れんばかりの空想が具現化した様は、今観ればシュールであるものの、その際限ないイマジネーションにはワクワク! 


ロケット船内の様子や、あの浮遊する車、人間と対等なロボット、そして金星の数々の生命体etc.
僕らがどれだけ1970年代以降のSF映画にその視野を狭められてしまってるかを思い知らされる。


あの金星の生命体の多くが触れるとふわっふわにあったかそうなのよね(笑)。
蠢く植物、巨大な蛸…グロテスクな造形なのにキュート!
そしてあの等身大ゴジラ(?)の倒され方に萌えた! 


あとね、あの浮遊する車もガジェット萌えする。
金星に降り立ってからはほぼウルトラ警備隊なんだけど(笑)。
全体に円谷魂に近いものあったよね。


何気に海辺でのロケが美しかった。あの幻想的な霧とか…
あの辺は矢張り広大なロシアの大地感じさせたね。


ラストがまた鮮烈なイメージなのだ。
あの水面に映る…
で、歌声が響き…
あれは素晴らしい。


しかし、矢張りの主役っぷりはあのロボット“ジョン”であろう。
人間とは主従関係持たぬ自由な身、敬語で話し掛けないと無反応、でもいざという時には頼りGUY!
それだけにあの最期は切ない… 


ふと『ムード・インディゴ』のイマジネーションに近いもの感じた。 


『エバンス博士の沈黙』は、もうこれがすんばらしいの!

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ちょっと、思わぬ傑作に遭遇出来てガッツポーズ!
見た事もないカメラワークと編集が、歪ます時空の裂け目から漏れ出すロマンス!


そう言えば、今年同じく資料館さんで観たソヴィエト映画『モスクワを歩く』にはヌーヴェルヴァーグの匂いが濃厚でしたが、こちらもまたフランス映画からの影響が窺えた。
思い出したのは『ラ・ジュテ』。 


オープニングの飛行機事故の描き方からして???で、これはちょっと只事で無い作品ちゃうの!?って構えたんだけど、終わり迄見た事無い映像体験の緊張と興奮に溢れてたよ。
カルトな評価されてるの?

あの最初の宇宙人達との遭遇、そしてあの宇宙船。
そのカメラワークや特殊効果が余りに斬新なんだけど、それは彼等が私達の理解を越えた存在である事を端的に表してた。


博士が自らの人類の進化の為の研究に、遭遇した人類以上の存在の力を借り様とするものの、そんな存在を驚異として攻撃する人類に愛想尽かす。って構図が何とも色々深読ませて悶える。 


博士との超越したロマンスで地球へと堕ちてしまう宇宙人がまたキュートだなぁ。
そして切ない。
あんなにクールだった彼女の中に宿ってしまった消せぬ炎… 


あの宇宙人の彼女(名前失念…オルテカだった?)のルックスがまた、今のアニメやアイドル好きに受けそうなそれで、新しい層から発掘されちゃう予感!
どっかソフト化しちゃえ!

そして、ラストのカーチェイスからのアレ…ちょっと言葉失った。
その衝撃もさることながら、そのカメラワークや編集に度肝抜かれた! 


あと何気に気になったのは、博士の自宅に日本の浮世絵や仏様の置物あったとこ。 


『ピルクスの審問』、この作品になるとまた趣向が変わる。

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殆どノリはハリウッドなテイストになっていて、時代の変化のスピードを感じる訳ですが、そこはそれ、スタニスワフ・レムの原作、そして当時の時勢の閉鎖感に息詰まる怪作。


一般的な意味での面白さって意味では、これはもう普通にレンタル屋とか並んでてもおかしくないね。
TSUTAYAさんの発掘良品なんかにありそうなテイスト(笑)。
アクションもサスペンスも地味ながら良。


オープニングのアンドロイド製造の描写や空間がもう70年代SFのある側面のそれで、やっぱこんなん好きだな。
『THX-1138』とか『アンドロメダ…』とか『ウエストワールド』、勿論『エイリアン』も!


唯宇宙船内でのあの緊張感溢れる心理戦が全体の中で三割ぐらいになってるのが残念。もう、あの船内だけで全編やっても良かったんじゃない? 


ピルクスの沈黙が効果的に機能する後半の心理劇は巧いなぁ。
そして、それがどう証明されるのか?ってオチでほほぉー(笑)。
トドメのあの手の傷! 


ピルクス氏に仕事の声が掛かるとこの描写、あの山登ってる所にってのは、『グランブルー』思い出したな。
ってか、時折“飛び抜けた才能持ったアウトサイダー”描写でよく見掛ける手法なんだけど、何が原点?