細雪/小早川家の秋 | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2013年6月 @ パルシネマ

とか言うてる間にパルさんの秋冬コレクション、最終日の最終二回に無事到着。

崑ちゃんの色にメロメロになってたとこで、OZの魔法にアタフタしたわ。


市川崑監督『細雪』って、もっとお文芸なイメージなんかと構えてたけど、無茶苦茶おもろかったなぁ~!まぁ、パルシネマ沸きましたよ。

{57F19EE7-A7EF-471A-96FA-4A2E21A2F33D:01}
撮影がゾッとする程の凄まじいキャスティングの四姉妹なれど、ある意味ガーリーなテイストも満載で(笑)。

市川崑監督…スクリーンでは初めてだなぁ。
まぁ、見事なまでに美しき撮影でした。
満開の京の桜、古い家屋、町並み、絢爛たる着物、可憐なる四姉妹、そして細雪。
全体的に薄っすらと桜色指されたフィルムのあの感触は唯一無比。


崑ちゃんならではの襖のあの閉じ方(流石に皆育ち宜しいから着物の裾挟まない)、旧家ならではの所作や会話の気品なんかも堪能したなぁー
今だとちょっと成立しないよね。30年前がギリギリか。

あの受領書を筆で書くところにゾクゾクっ!
勿論爪切るとこなんか悶絶!


あのメインで話し合ってる人達から離れてる人もフレームインしてゴソゴソ何かやってたり、蛇足的に動作が付け加えられてたり…あー言う市川崑監督の演出術が生むリアリティ、随分後に影響与えてるよね。
その撮影共々真っ先に頭浮かんだのは矢張り岩井俊二監督。


メイン四姉妹の活き活きとした表情、言葉、行動etc.に、オロオロ翻弄される男共がまた可愛いやら情けないやら…
とどめはあの方のサメザメ流す涙かな。


『小早川家の秋』は、劇場初小津でありました。

{5B29C231-4549-4F0F-8162-890DCEF1EA7F:01}
矢張りスクリーンで観ると、あの構図なり切り返しなり単調な台詞の遣り取りなりが、別の意味を擡げて来る。
彼のシンプルさが故の豊潤さ、今とは全く真逆な意味合いでの情報量の多さに圧倒される。
何だ、無茶苦茶面白いじゃないか!


『小早川家の秋』は亡くなる二年前、作品的にも遺作『秋刀魚の味』の前作、と晩年の作品なれど、枯れた雰囲気はまぁ無い。
他作品をそこまで観てないので比較は出来ないけど、まだまだ色気あるし、何よりユーモラスな側面に彼の息吹感じた。


『小早川家の秋』は松竹で活躍した小津監督唯一の東宝作品。
一方で同時に観た東宝作品『細雪』の市川崑監督は唯一松竹では撮っていない。
あと、両作とも阪急沿線を舞台に京阪神それぞれでドラマが起こる。
姉妹それぞれの“結婚観”が浮き彫りになる様も似ている。
と、奇妙な縁溢れた二本立て。


『小早川家の秋』で、次女演じた司葉子さんのキュートな事!
『細雪』で三女演じた吉永小百合さんの妖艶な事!


まだまだ、どの年代にも映画館で今観直されるべき邦画はゴロゴロ眠ってる。