『エンディングノート』
2014年4月。シネパス2/48本目
@ 加古川イオンシネマ。
劇場公開時、我が街姫路でも、少し遅れてですが劇場での一般上映があって、珍しいなぁーと思ってたんですが、これ、相当にヒットしてたんですね(『ゆきゆきて神軍』以来の興行収入一億円突破作品)。
結局その上映にはタイミングが合わずに行けなかったのですが、こんな形で巡り合う事になろうとは。
シネパス中唯一のドキュメント映画で、それだけ支持された作品の証明なのでしょうが、実際に観てみると、とても複雑な想いが過った。
余命宣告されてしまった父親が、その性分であろう段取り癖を発揮して、自らが残された時間で何をすべきか?この世から去った後家族に何をしてもらうべきか?を詳細に綴った“エンディングノート”の作成に取り掛かる。
突然の宣告にアタフタとする家族たち。
一人ノートの作成と、そこに綴られたリストをこなす父親。
そして、その様子を直ぐ傍で撮影し続けるのは誰あろう、その父親の末っ子である砂田麻美監督である。
ドキュメントの題材としては特別な事はない。
勿論そこに映されるのは、ある命の足掻きであり、踏ん張りであるのは大前提として。
しかし、それを撮り続けるのが極々身近の人間である事の、その距離と意味が、不意にドキュメント性を破壊し、溢れる出る想いが痛い。
冷静に適切な距離を保とうと、声も手も出さず、そんなところまで撮るの…なカメラ。
家族だけだからこその残酷さも映してしまう程の。
しかし、矢張りあんなところまでカメラ回せるのは身内だからこそで…(だからこそ、音声だけのあの瞬間は尚更迫る)。
そして、ナレーションだ。
去りゆく父親がエンディングノートに込めたであろう想いを代弁して語るのは監督本人。
時に、自分自身へも言及されている想いを語らざるを得なかった時のその心境とは…
しかし、今作。
作品としての重さを殆ど感じさせないのが、この監督の凄みで、更には覚悟を観た気がする。
