歩けば10分。 | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2013年5月。

@ パルシネマ→シネマ神戸。

梯子掛けての一日四本堪能!


パルシネマで一本目。

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

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ヤバっ!『ウォリスとエドワード』、只の傑作やないか!

ゴージャス!エレガンス!なのだけれど、何て親しみ持てる視点!
複雑な構成と想いを何とスムースに紡ぐのだろう。
まさに映画的興奮満載!
これはスクリーンで浴びた方が良いよ!
恐るべし、マドンナ姐やん!


一作目の時はホントにこんなん撮れちゃうの?って疑問あったけどさ、これは正真正銘にマドンナなテイスト濃厚で、しかも映画としても確実に進化してるし、何より面白いのだ!

英国王室を揺るがした世紀のスキャンダラスなラヴロマンスをストレートに描いてるのかと思いきや、そこへと想い馳せる現代を生きる女性からの視点で物語られてて、巧いな、と。
その独特の入れ子構造はとても入り込み易いし、マドンナのあのユニークな生き様がまんま投影されてるんじゃないのかな?

過去と現代の行ったり来たりの繋ぎが余りにスムースで、しかもユニークなんだよね。
最初ちょっとこんがらがるけど、直ぐ順応出来ます。


エレガントな会話・所作や、ゴージャスな服装・アクセサリー・インテリアも見応えたっぷり。

時折挿入される彼女らしいポップアートな画作り(傘とか監視カメラとか)は楽しい。

あの
鏡にルージュで書いた文字消しての曇り残った部分に綺麗に顔入ってる画とか憎いなぁー


オークション品の展示会場で妄想に耽る図。
それを監視カメラで追う図。
で、その会場で…
超可愛い!


あとさ、あの中盤での踊りのシーンで流れる曲(後半のバーのシーンでもちょっと流れる)がとーっても好みだったんだけれど、あれは既存曲なのかな?
何ともエレガンス&デカダンスで、どこかエロティックでもあったあの曲。
欲しい!


それとピストルズのプリティ・ヴェイガンド流れた時はゾクっとしたな!

エンディングのマドンナ自身の曲…これは要らんかった気も(仕方ないけど)。


確かにゴージャスな妄想に耽る姿は幾分少女漫画チックで、その分現実の痛さ・辛さが沁みる訳ですが、でも時に妄想が現実を凌駕しちゃう程の想いの強さに、マドンナの真価を観た。気がする。


パルシネマで二本目。

相方の『最強のふたり』は改めて観ても、いや改めて観るからこそ面白い!やっぱ最強のふたり!


シネマ神戸で三本目。

『バットマン・ビギンズ』、こんなに面白かったっけ?な印象。
そして、割と正攻法な作品でもあったのだな、と。
らしくない程ハリウッドに真正面からぶつかり、その矛盾を知り、暴き糾す旅路がここから始まったのでは?


シネマ神戸で四本目。
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は、何とも苦々しい。
これが史実なのだとすれば、相当に愚かであるが、だとしたらそれを描くのには随分な覚悟が要ったのだろう。
戦場での交渉の生々しさ、こちらの感傷などお構い無く奪われる生命、彼らが突きつけた銃口以上に刺さる文明化社会への言葉。


マチュー、10年掛けてやっとこれを撮れたって事は、2000年代のあれやこれやの課外活動(にしか思えなかった)はこれに向けての足場作りであったのか?とも思えてくる。
それぐらいに90年代初期作の鋭さは破格だった。
おかえり、カソヴィッツ!


これ、どこか、(同時期に元映で上映中の)『セデック・バレ』と通ずるものあるな。




史実を現代からの視点で紐解き、そこから更に逆照射する事で浮かび上がる想い紡いだ『ウォリスとエドワード』。
事実をモティーフにしつつも、あくまでそこに横たわる想いを映画的寓話へと昇華した『最強のふたり』。
真実を暴くべく映画を武器に斬り込んだ『裏切りの戦場』。

そこに歴史持たぬアメリカが、未来へ託す神話を持つべく創造した“ダークナイト譚”が絡んだ、と。



それにしても、良いバランスで、全くダレる事なく、一気に味わえた四本だったなぁー。
何と言っても移動は新開地内だけで、漱石三枚でお釣りあるのが嬉しい。
この四本立てはお勧めです!