福山雅治 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

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何度も、“嘘だろ?”“確りしろ、俺!”“目を覚ませ!”と、プライド(笑)と格闘しつつ、遂には溺れてしまった…

真夏の方程式』、噂に違わぬトンデモない傑作です。

@ ミント神戸。

2013年7月。


“ガリレオ”の冠外したのは大正解。
完全なる別物です。


昔Xファイルでさ、モルダーとスカリーに取材して、それを(ドラマ内)ドラマとして別の役者がデフォルメして演じちゃうってヘンテコリンな一編ありましたが、まさに『真夏の方程式』とドラマ版ガリレオがそんな関係の様だ。

当然あのキメ台詞も、方程式書くシーンも、あのテーマ曲も流れない(正確にはアレンジ変えて流れるけど)。
ドラマ版のファンには少々物足りないかも?だけど、私みたいに思い入れ薄い者からしたら、断然こっちだ。
原作ファンもそうなんじゃない?


兎に角、舞台装置から人間関係まで見事なぐらいに伏線が張られてて、それが巧みに絡み合い、もつれつつも、やがて解きほぐされて行き、終いには美しい脈絡として連なって行かんとする様には驚嘆するしかなかった。


映像が説得力あるんだよなぁ。
繋ぎ方もおっ!ってなる。

揉みくちゃに鍛えられて来たんだろうなぁ…西谷弘監督。他監督作品、どうなんだろ?一本も見てないのだ。


キャスティングもまた素晴らしい。
メイン二人の、ふぃろそふぃかるぞんび感とか(笑)。
何よりベテラン勢が悉く良い!
あの子役の子も何て自然なんだろう。
杏ちゃんもね!


そして何より掴まれたのは…

法とは?倫理とは?正義とは?嘘とは?真実とは?親子とは?愛とは?
人が生きて行く中で抱えざるを得なくなってしまう矛盾との折り合いの方程式をこんな風に提示してくれた事だろう。


マキシム(海の保護vs開発)とミニマム(ハカセvsコドモ)の回転軸が、“過去の事件との葛藤”で巧みに噛み合ってく…あぁ、既にもう一回観たい!

@ 塚口サンサン劇場。

2013年9月。

ガリレオの冠をあえて外したのでない。この名作の風格にガリレオ自身が冠である事を辞退したのだ。


これ、二度目なんだけど、前回は想定外の傑作具合の興奮に諸々解け切れてなかった(面白さの)方程式を、今回こそはじっくり…
の筈が、やっぱ興奮して、しかもまた泣いた!
これ完璧なんじゃ?

島を突き動かす海の環境保護vs観光開発の争いと、嘘で互いを守り合う家族を揺さぶる過去に犯した罪と、の、その不穏さの混沌を突き抜けて飛ぶ、湯川“はかせ”と少年の友情に涙しないなんて無理!


改めて観直しても、いや、改めて観直すからこそ、あれやこれやの伏線や、細やかな演出が胸に迫って、オープニングから涙腺ウルウル…

西谷弘監督、半端ないわ~!


オープニングで湯川教授の台詞にありますが、これは“選択”についての映画なんだね。
その選択を間違えない為に地図を作らなければならない。
そして、地図を作るには学ばねばならない。




そして父になる

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@ 塚口サンサン劇場。
2013年11月。

『そして父になる』に関してはもう、あのカメラがズルいなぁー。あんなんスクリーンで魅せられたら…
空気と温度とレンズの見事な調和。
輪郭の淡さから、やがて現実の痛みや苦さが際立つあの瞬間! 


相変わらずのトーンで世界を掻っ攫う是枝監督の手腕はここに来ていよいよ、取り返しつかぬ深みへと辿り着いてしまった気がする。

特にその純度の高さは嘗てない程で、実際こんな問題を踏み込んで描くなら、もっと様々な“声”が画に溢れても良さそうなのに、ねぇ…

いや、マジでこの人は恐ろしい。


そして、リリーさん&真木よう子さんのリアリティ、尾野真千子さんの抜群の引きの芝居、子役二人の温度…

なんてのに物怖じしない“福山雅治”と言う存在を遂に見つけてしまった!