ナタリー | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

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ナタリー

@ うめだ阪急ホール


 2013年11月15日~25日に開催された第20回大阪ヨーロッパ映画祭にて。


嘘やろ!?ってレベルのおもろさやったわ。『ナタリー』。
何故に劇場公開スルー…


マーカスの駄目さと可愛さと、そして優しさがツボ過ぎてヤバい。 テンションが収まらん…


いやぁ~『ファイナル・カット』だけでも大変な事になってたのに、『ナタリー』があんなにトンデモない面白さで、会場沸きに沸いたんだもん!
しかも
監督とのQ&Aが素晴らし過ぎた(涙)。


何とか一般公開に繋がらないものか?


ムード・インディゴ熱冷めやらぬ内に間髪入れずのオドレイ・トトゥだし、『ファイナル・カット』の流れで観ちゃうか!ぐらいの気持ちだったけれど、『ムード・インディゴ』とは別ベクトルで今年、いや今の気分にズッポリ嵌ったな。 


オドレイ・トトゥは矢張り此処でも、もう“オドレイ・トトゥ”なのだ。
そう言うカテゴリーだろう。
『アメリ』から『ムード・インディゴ』まで良くも悪くも一貫してる。
意外な程無表情であるのに、溢れ出る感情。
ナタリーが過ごした設定の庭は、僕らが思い描く彼女の原風景そのもの。


そしてマーカスを演じたフランソワ・ダミアン(フランスでは有名な役者兼タレントらしい)が、まぁ素晴らしい。
登場時記憶にすら残らない印象薄・幸薄、そして“女っ気なし”な存在感が、やがて男の僕すらキュンキュンさす、優しさ・ユーモア・可愛らしさを身に纏っちゃうんだから凄い!


思わず一目惚れさせちゃう程チャーミングで、しかも仕事でも遣り手、人望も厚いナタリー。
対して徹底して地味で孤独なマーカス。
決して交わる筈なさそうな二人が惹かれ合い、求め合って行く過程の、リアリティ且つファンタジックな様にはもう声出してきゃっきゃときめいた!
いや、会場全体でだ!


最初のデートで恋に堕ちる事に怯え逃げ出すマーカス!
“首より心痛める方が辛い”は今年の名台詞No.1!
他の女への花束に嫉妬して我忘れるナタリー!
そしてそんなナタリーへの贈ったぺ。○(もう!ここ堪らん!)!


今作、基本ライトなラヴコメではあるんだけど、その軽やかな跳躍は、それぞれの哀しみや孤独で固められた土台が確りしてたからこそで、その跳躍の鮮やかな高さに今の僕が向き合ってる現実の厚みが重なった時、ギュッと胸ぐら掴まれた。

『ナタリー』、これはもう“三十路過ぎのめぞん一刻”と名付けたい。

しかし凄いのはストーリー(原作は監督弟)や役者だけでない。

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ナタリー』原作。
あの時間軸の映画的表現には唸るし(この辺はQ&Aでも出た)、あのラストに辿り着けるには相当な勇気と覚悟が必要だっただろう(この辺もQ&Aで出た)。


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そっか、『ナタリー』の原題はデリカシーなんだね。成る程。
見習うべきとこ多し。


そして、上映後のステファン・フェンキノス監督とのQ&Aは、映画の盛り上がり冷めやらぬ内だった上に、監督↔通訳↔司会↔観客の絶妙のやりとりもあって感動的な程に沸いた訳ですが、その沸いた要因の一つに質問した5人の観客が全て男性で、しかも全員眼鏡掛けてたってのがあった。
当然私も乗っかろう!と、隙狙ってたんですが、もし誰も質問の手が挙がらなかったら?な場合に用意してたネタを三人目の方に見事に持ってかれたのでありました…

その質問は、『ナタリー』の音楽をやってるエミリー・シモンについてだったんですが、聴きたかった事以上の応えが満載のアンサーだったので、大満足。

と、言うかそこで語られた内容もまた映画になるかの様な、奇妙に運命的でドラマティックだったな。

エミリー・シモンはあの鮮烈なデビュー盤やら、二作目がいきなり映画『皇帝ペンギン』のサントラ盤だったり、そのキュートなルックスと、ここ日本でも随分注目されてた才能でしたが、ここんとこはこの国では地味な扱いで、実際『ナタリー』のサントラでもある5thは国内盤も出ていない…

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昨日監督の口から語られた、エミリー・シモンと映画『ナタリー』の奇妙な運命についてはここに詳しい。


因みに『ナタリー』にエミリー・シモンはちょっとだけ出演してて、しかも監督さんの短編にも出てて、次回作ではがっつり女優やるとか。
観たい!

監督も言ってたけど、確かにオドレイ・トトゥとエミリー・シモンは似てるんだよなぁ。


そうそう、劇中に出て来たABBAの陰に隠れて売れなかったあのバンドの曲をフルサイズで聴きたいなぁ~
観てない人には何のこっちゃ?ですが。
あそこでの劇場の沸き方は異常(笑)。
あの曲の真相は会場にいた人の財産だね。