2013年10月5日~12月13日開催の『10人のスターと、20本の輝く名作』 @ 塚口サンサン劇場。感想呟き纏め。
第三弾若尾文子
“10人のスターと、20本の輝く名作”@ 塚口サンサン劇場、今回は若尾文子特集でありました。
まぁ、こりゃ面白い!
対極な作品でありつつも、人間の厭らしさと図太さがスクリーンから溢れ出る。
そして文子の凛とした色香!
溝口健二監督の『祇園囃子』は、もうパーフェクト!でしょ?
華やかな芸の世界と、その裏側の厭らしさ、その軋みで健気に凛とし闘う二人の姿…呑み込まれつつも、決して離さぬ繫いだその手…
を、淑やかなカメラが捉える。
これ、結構コミカルなのね。前半笑いっぱなしだった。
特に若き文子さんがあけすけな無邪気さでもって、旧態然とした舞妓の世界にツッコミ入れてく様は爽快でキュート!
これ、今でも全然通用するテンポと軽やかさだよね!
塚口サンのこの企画(前回の含む)で何度宮川一夫さんのカメラに息を呑んでいるのだろう…
しかし、あの父親がねぇ…
もう人間臭くって。
愛だの情だのをかなぐり捨ててすがって来る様の描き方とか壮絶よねぇ…
あと、あの文子さんの血がべったりついた唇とかゾクっとした…
あそこヤバい!
『雁の寺』に関しては、徹底的に芸術だの寺だのの生臭さを暴いてて、あのカラーパートの褪色さえ、川島雄三監督の映画すら“何ぼのもんじゃい!”とあられもない姿晒す術の様に見えてしまうのだから壮絶!
古い家屋も、モノクロームのフィルムも、すっ飛ばす溝健のスピードと鋭さ!
にも物怖じしない文子の大器っぷり!
とても特殊な世界へと、風景も風俗もフォーカスするのに、時空を越えてストンと僕ら2013年の観客をも落とし込む感じがしましたね。
あの時代だから、あの世界だから…とか全然なくって、今を感じました。
そして川島雄三監督の『雁の寺』はもうぐちょぐちょで厭らしくって最高!
何処も八方塞がりな世界の片隅に溜まったあの淀み…
不埒なカメラ、不穏な音楽。
が、長閑なカラーパートで挟む事でより滲み出る。
ほーんと、息が詰まる。
凄まじい閉鎖感。そして、解く事叶わぬ螺子くれた想い。
よくここまで煮詰めたなぁ…
でも、川島監督の独特の語り口のグルーヴに一気に魅せられる。
『雁の寺』も塚口サンシアター1のあの密室度と本編の厭らしさが高密度に化学反応起こしてて堪らんかったですが、『祇園囃子』は宮川一夫さんのあのカメラと僕ら観客の眼差しががっちりシンクロして悶えます!
特に70年代より前へと遡ると顕著なんですが、嘗ての邦画のスピード感や、芳醇なユーモア、粋なセンスには慄く。
何でこんな作品群が限られた人達のみの楽しみへと閉じ込められてしまったのか?
シアター1で既成概念を崩壊せよ。
第四弾三船敏郎
“10人のスターと、20本の輝く名作” @ 塚口サンサン劇場。今回は三船敏郎特集。
スクリーンからムンムン漏れ漏れなその体臭は、今の無味無臭な世の中に馴れ過ぎ、感覚障害気味な大衆が実は求めているものなのでは?
『暗黒街の対決』
何だ、これは(笑)。
岡本喜八監督の荒唐無稽な世界観を、セルフパロディ気味に堪能する三船敏郎と、生真面目に抗う鶴田浩二の対決に、嘗ての邦画の有無を言わせぬパワーを感じる。
今や狙って作っても唯の悪ふざけに陥ってしまうプログラム・ピクチャーの、その余りの軽やかと抜群の面白さで以って畳み掛ける岡本喜八監督の手腕を、私は未だ未だ知らないでいたなぁー
今迄見た数本からは、その鬼才っぷりを感じ取る事は出来なかった。
もう、既にその禍々しく病的な存在感は出来上がってて慄く。
しかも、歌っちゃうんだぜ!
“消しちゃえ!消しちゃえ!”
しかし、佐藤薫さんに驚く程声のトーンが似てるよね。骨格が近い?
『宮本武蔵』
いやぁ~面白かった!
もっと無骨な映画かと思いきや、とても繊細、そして美しい…
武蔵(たけぞう)が武蔵(むさし)へと至る青春の道程。
稲垣浩監督作品は初めてです。
若き三船敏郎はこれ以上ないベストキャスト。フェロモンの塊。そら忘れてた“娘の血”も思わず蘇りますわな(苦笑)。あの二人乗馬のシーンはヤバい。
対して若き三国連太郎が優男で可愛いと言う(笑)。
八千草薫さん、激キュート!!!あの吊るされた武蔵懸命に降ろすとこ、萌える!
そして、塚口サンシアター1常連役者“加東大介”登場シーンに待ってました!
姫路城も出てくるしね!
この後続編二本撮られた三部作です。と。
へぇー!

