今やすっかり“漫画家”になられた古屋兎丸氏。
元々美術教師なんかやってた彼の、画家から漫画家への大いなる転身の軌跡を我々初期ファンは固唾を飲んで見守ってた訳でありまして、そりゃ、その一挙手一投足はワクワク・ドキドキ物だったのである。
実際超初期の『パレポリ』とか画家の副業感満載で漫画以前のレベルだったもんな。
- Garden (Cue comics)/古屋 兎丸

- さて、本作は1993年の処女短編から2000年の短編までを纏めたまさに初期作品集。
絵の巧さは当然ながら、様々な引用や、そして技法の投入、それを全て“漫画化”への情熱に注ぎ込んでいる姿には感動すら覚えた。
その情熱の前にはタブーやらモラルなんてのは何の意味も成さないのである。
荒俣宏さん原案「裸体の起源」や「月の書」辺りの神話的な強度や宗教的な残酷さ、吾妻ひでお氏のリメイク「夢見る機械」や「ユメカナ」から迸る無防備なエロス、彼の命題は既に出揃っている(当然だ)。
そして・・・本書に“袋とじ”と言う形状で封じ込められた中篇『エミちゃん』の衝撃!
自身に巣食う闇と対峙し、身を心を切り刻む覚悟で衝動でのみ描き切った、彼の画家としての終着点にして漫画家としての本当の意味での始動作。
未読の方は覚悟して臨め!