天才。これしか彼を語る言葉は見当たらない。
まさに群雄跋扈、星の数程多彩な才能が犇めき合う日本の漫画界でも、頭一つどころでなく幾つも飛び抜けているのは衆目の一致するところでありましょう。
彼の作品の大きな特徴はまずその印象的な絵のライン。見様によってはラフともとれる豪快なその線はあまりに気持ち良い!多様されている筆の微妙なタッチだったり、陰影とか動きとかもうすんごいの!コマ割りも大胆だな~。多分一気に描いてるんであろうその絵を眺めながら、この人の頭の中にはどんな映像が浮かんでいるのだろう?とゾクゾクいたすのであります。
そして、何とも独創的なストーリーテリング。何てことない日常がガンガンと見た事もない非日常へと突き進んで行く。しかし、そこに作為的なムードは全くなく、それが当たり前な事として体感できちゃうんだよなー。こんなの常人には思いつかねーよ!と思いつつも別に難解でもシュールでもなく非常に解りやすくてさ。お見事!
宮崎駿氏・大友克洋氏・よしもとよしとも氏等の絶賛も納得でありましょう。
『茄子』が『茄子 アンダルシアの夏』~『茄子 スーツケースの渡り鳥』としてアニメ化され、『セクシーボイスアンドロボ』もドラマ化されたりしましたが、なかなかこの漫画自体の魅力を活かす映像化は難しいところでありましょう。
本作は1993年のデビュー作から1999年まで、90年代の彼の短編をみっちり詰め込んだ濃厚な逸品。
詩的な美しさが漂う「像の散歩」が好きだな~
「西遊記を読む」がムズムズ来たのはもうおっさんだからか・・・
あと、よしもとよしともとの合作「あさがお」は短編映画を見終わったかの様な満足感に包まれます。
