√964 | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

20年前、二つの東京タワーを予言したCDがあった!


ルート964/DOWSER




1991年、まだバブルの残りカスで浮かれるここ日本に汚水をぶっ掛けた狂気のサイバー・パンク・ムーヴィー『ピノキオ√964』。


その余りの衝撃的な内容で、世界中に熱狂的なファンを生みつつも、ここ日本でのみ中々見れない状況(様々な問題からかDVD化が果たされなかった)が続いていたものの、一昨年無事DVD化。改めて、その存在意義が問われた訳です。




その映像・物語の衝撃も然る事ながら、今の時代に見直しても十二分に耳に突き刺さる音響・音楽も語りたいところ。いや、語るべきだ!




映画の撮影時に目に付くあらゆる物を叩き録音した音を用い作られたその音は、破壊的でありつつも、巧に編集・構築され、ノイジーな質感のその先に後のエレクトロニカを予見させるものがあったり。




さて、音楽を担当したのはDOWSER(映画本編では東京DOWSER名義)。石井聰互監督との仕事で映画業界で注目を集めていた長嶌寛幸さんが率いるユニットで、今作を担当した時点ではバンド編成。


このCDは映画のサントラであると共にDOWSERの1stアルバムである。


現在でも編成や音楽スタイルをその都度変化させつつ活動を継続しているDOWSER。近作ではエレクトロニックス100%なその音も、バンド編成である為に全く別物。“This Heat”辺りを想起させる電子音とバンドの軋みを叩き付けた音である。


驚くべき事に(今や日本の映画音楽界を代表する才能である)長嶌さんの歌まで(!)飛び出るこのCD。


その音の破壊力・構築力は20年の時を全く感じさせないどころか、今日出来たての新譜と言われても全く疑う余地が無い。


映画のサントラを越え、これは、90年代初頭の邦楽を(いや、世界レベルでも)代表する音だと断言出来る。


と、大見得切ったものの、これ、超インディーズ盤である為、プレス枚数も少なく、プレミア価格で取引されちゃっているのだ・・・。何とかならないものか?




映画本編の公開時、PAを持ち込んでの最大出力での爆音上映に苦情が殺到した。ってのは伝説的エピソードですが、出来うる事なら、このCDの爆音再生も試みたいところ。